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※高桂幼少期妄想
手を伸ばせば届きそうなのに
「青い…」
桂小太郎。
現在では指名手配犯となってしまったが
攘夷戦争の折には並々ならぬ働きをし続けた浪士。
およそ男には見えない美しく整った顔を空に向け
輝く太陽に目を細めた。
「空は青いな…高杉」
桂の横に座る男。
高杉晋助。
彼もまた桂と同じような経歴を辿っていた。
女物の着物を着崩し、煙管をくわえて太陽を嫌がるように、桂のかぶっていた傘を奪い頭にのせ
空などは見上げず、ただ隣にいる桂を見ていた。
2人が出会った
あの日も
空は美しく澄み渡っていた。
心はいつも空模様
天気予報なんてアテにならない
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