Reverse?!
『Reverse!?』
「いい格好だな、燕青」
綺麗なその顔に妖艶な笑みを乗せて静蘭が赤い舌をのぞかせる。
楽しげに目を細め、座ったままの燕青を上から下まで眺める様はいつになく上機嫌だ。
「え、えーと?」
どういう状態?と苦笑いを浮かべる燕青の手は両手をしっかりと縄でしばられ、その縄は壁に打ちつけられている。
万歳するような状態で動きを制限された燕青は、一糸まとわぬ姿だった。
状況が飲み込めず静蘭を見上げる。
「常々思っていたことなんだが、私だけが痛い思いをするのは不公平だと思わないか?」
「へ?」
「いや、私が得をするなら不公平でもいいんだが…」
「……」
静蘭の言葉に燕青は思わず絶句した。
性交の際無理をさせているのは静蘭の体なのは分かっていた、その行為が苦痛を伴うものだということも。
まさか今更そんなことを言いだされるとは思ってはいなかったが。
「だから、たまには私にやらせろ」
高慢に言い放つくせにその顔には機嫌のよい笑顔が浮かんでいて。
「ま、静蘭の頼みならしゃーねえか」
静蘭の笑顔に、否、静蘭にとこととん弱い燕青は困ったふりをしながら受け入れてしまうのだった――――。
――……、という夢を見たのだ。
と、静蘭に話すと夢ではあんなに上機嫌だった彼の顔は思いっきり歪められた。
「誰が、だれがお前なんか抱くか!」
「だよなあ?静蘭抱かれる方が好きだし、おかしいなーとは思ったんだよな。やってる時も痛いより気持ち良さそ…、いってー!殴るなよー」
「そういう話じゃないだろ…!この、コメツキバッタ!」
「いやー、性の一致って大事だと思うぜ〜?」
そういう点では俺ら相性バッチリでよかったよな、と笑うとまた殴りかかられた。
悠々と拳を避けながら、燕青はからりと笑った。
『抱かない』とは言われても『抱かれない』とは言わない静蘭の分かりにくい表現には気付かないふりをしてやることにして。
END
最近雑食なんですが、やっぱりやっぱり双玉は静蘭受けですねって話。