恋の効力
(ポッキーの日に間に合わなかったので後夜祭。えろです)
「あ、日付変わっちゃったね」
残念そうにつぶやく楸瑛の周りには11月11日だかなんだか知らんが、イベント好きの馬鹿が買って来た大量のポッキー。
賞味期限も十分あるし、ゆっくり消費すればいいだろうと菓子箱に直そうとすれば何故かその手を止められる。
「なんだ?こんな時間から食べる気か?」
「んー?いや、私はもういいよ」
そう言いながらも、楸瑛はポッキーの箱を一つ開き中身の袋を取りだした。
俺も要らんぞ、と眉をしかめれば楸瑛はゆるりと笑いを浮かべた。
ヤバイ。と本能的に感じるような楸瑛の笑み。こいつがこんな顔で笑う時はたいていとんでもないことが待ってるんだ。
過去の経験から、さっさとその場から去ろうとするが、楸瑛に引き戻され、その力でソファに優しく投げられる。
「っおい!何す、…んんっ…!」
予想はしていた深い口づけ。
呼吸すらも奪うようなそれに、絳攸の息もおのずと上がる。
くちゅり、と水音を立てて唇が離れるとツー、と唾液が間をつなぐ。
それを舐めとる様子を見てられず目をつむると、楸瑛の手がするりと服の中にもぐりこんだ。
(あっ、)
体の奥から熱くなるような刺激。ただ触られただけで震える体に絳攸は戸惑ったように楸瑛を見た。
「大丈夫、気持ちいいことしかしないから、ね?」
「馬鹿か…、んッ」
馬鹿か今すぐ止めろ、と怒鳴ろうとした時ぎゅっと乳首をつねられて痛みで顔をしかめた。
そんな様子を見て楸瑛は、恐らく確信犯だろうが、ごめんねと言いながら乳首をペロリと舐める。
「あ、!」
自分で出した甘い喘ぎが気持ち悪くて唇をかむと、楸瑛の指が二本そろえて口に突っ込まれた。
「噛みしめると切れちゃうよ?」
「んぐっ」
「ああ、ほら。君のここ、もうこんなに喜んでる」
何度見られても慣れない自らの雄の部分。
嬉しそうな声を出して立ちあがったそれに触れる手は楽しげで、それが更に羞恥を煽った。
そして熱く濡れた感触が絳攸自身をつつみこんだ。
「ひ……あっ!」
何度されても慣れることのない強烈な快感に、絳攸は白い喉をのけぞらせる。
「ダメだ……イ、く、」
絳攸を知り尽くした手が生み出す快感は恐ろしく、制御がきかない。
こんなに早く射精してしまうような失態は避けたい、と楸瑛を見上げれば彼はこれ見よがしに手にした屹立に舌を這わしながら人の悪い笑みを浮かべた。
「まだイったら駄目だよ?」
「お前の…せいだろっ…」
生理的に浮かんだ涙を溜め、抗議すると。
「じゃあちょっと足、自分でもっててね?」
と、無駄に爽やかな笑顔でそう言われた。
「え?」
何を要求されたのか理解するより先に、楸瑛は絳攸の手を導いて、両足開かせる。
目の前にいる楸瑛にすべてをさらすような格好に、絳攸の顔が真赤に染まる。
「い、嫌だ…これ…ッ」
「だーめ、ちゃんと開かないと食べれないだろ?」
「は?」
不可解な楸瑛の言葉にはしたない恰好をさせられているのも一瞬忘れ、間抜けな声を上げてしまう。
しかしそんな声に反応することもなく、楸瑛はひそやかな蕾にためらいもなく舌をはわせてくる。
「絳攸のここ、可愛い」
窄まった蕾を舌でノックすれば、ヒクリと動き中へ導くような動きをする慣らされた、そこ。
「うぅ…」
死にそうなくらいの羞恥に呻く絳攸が、ぎゅっと目をつむっていると、舌と一緒に楸瑛の指が侵入してくる。
思わず力の入ってしまうそこに、慣らされた体は楽になろうと無意識に力を抜く。
「苦しい?」
「ん、」
それでも、舌で念入りにほぐされたそこはしっかりと楸瑛の指をくわえこみ、更に奥へ誘い込むように内壁がうねっている。
「あ、ぁあ…ッ!」
一本入れば次は案外楽に入り、気がつけば絳攸の中は三本の指でぐちゅぐちゅとかきまわされていた。
「ねえ、もう三本も入ってる…でもまだ、入りそうだね」
「っも、むり…っ、入らない…!」
「そう?いつももっと太いの銜えてるんだから大丈夫だよ」
その『太いの』を絳攸の体に擦りつけるようにしてくる楸瑛。
それはすでに完全に立ちあがり、堅く、脈打っていた。
「ひぃ…ンっ」
興奮しきったものをこすりつけられながら、的確に前立腺を突く指。
それから逃げるように腰を引いた絳攸を自由な手で捕まえた楸瑛は、追い立てるように更に指の動きを速めた。
「あ、…あぁ、イッ…」
「駄目だってば」
「ひぃッ…!」
イク、と絳攸が体を震わせたと同時に、楸瑛の指が射精口を塞ぎ、ぎゅっと屹立を握りしめていた。
解放されない熱と、激しく脈打つそれを力強く握られる痛み。
無慈悲なことをしているくせに、楸瑛がついばむようにしてくるキスは驚くほどに甘かった。
ちゅ、ちゅとリップ音を響かせていたキスは、いつしか深いものにかわり、気がつけば楸瑛の舌は絳攸の口内を犯すようにいやらしく動いていた。
「ん、ぅん…っは」
未だ吐き出せない熱と、キスで高められた快感。
はあはあと荒い呼吸を繰り返しながら、とろりとした目を楸瑛に向けると、愉悦と欲望が入り混じった視線と絡み合う。
「ねえ絳攸、ポッキー食べようか」
そう言って笑う楸瑛の手には、先ほど取りだした袋が握られ、封を切ったそこからチョコレートのついたお菓子を楽しそうに引っ張り出す。
絳攸の顔が引きつった。
「ば、ばかか!食べ物で、遊ぶな…!」
「…ただのポッキーゲームだよ?何を想像したの絳攸?」
意地悪くくすくすと笑いながら、銜えて、とポッキーを絳攸の口元へ運ぶ。
大人しく銜える姿に楸瑛はやはり楽しそうに笑った後、自らもその先端を口に運び、カリカリと噛み進めた。
楸瑛の端正な顔が近付いてくるのをぼうっと眺め、焦点がブレたと思ったら、触れ合った。
絳攸が一口も食べないまま、ポッキーはすべて楸瑛の胃に納まっていたらしい。
「君も食べないとゲームにならないじゃないか」
と、さもつまらなそうにため息をつく楸瑛の瞳は、先ほどと変わらず欲望に染まっている。
「わ、わるい…」
思わず謝った絳攸に、楸瑛は仕方ないね、と笑う。
そしておもむろに先ほどほぐした蕾にポッキーを宛がった。
「お、おい…!何を…!?」
「だって絳攸が素直にポッキーゲームをしてくれないから、こっちのお口でやってもらおうと思って」
「あ、アホか!食べ物で遊ぶな…あッ、ん」
言葉の途中に2本目のポッキーが突き入れられ、待ち望んだ刺激に絳攸の体がビクリと跳ねあがる。
堪えようとしても、自然と漏れ出る喘ぎ声に絳攸はふるりと瞼を震わした。
「ポッキーで感じてる?…やらしいね絳攸」
「い、言うな…っ!」
「でも、こっちのお口は美味しそうに飲み込んでいくけど?」
4本目ともなると先に入ったチョコ部分が溶けだし、そのぬめりで更に挿入が楽になる。
突き入れられたポッキーを掻きまわすと、チョコと唾液、腸液の混ざった液体がじゅぶじゅぶと卑猥な音を立てる。
「まだまだ入るよね?」
「ひっ、ン、あ、………っうぅ」
、
どんどん増やされるポッキー。
お菓子で犯されているというアブノーマルな行為に、絳攸は確かに感じていた。
だが感じているという事実は絳攸を焦らし、我慢すればするほど、耐えきれない快感が襲ってくる。
「やぁ、っ、も、むり…!」
「ああ、本当だね…これ以上入れたら折れちゃうかな」
折れて中が傷ついたら困るもんね、そう続けた楸瑛は突き刺さったポッキーの何本かを摘み、ゆっくりと引きだした。
「ん、んんっ…!あっ」
ギリギリまで引き出したかと思えば、次は素早く中へ押し込む。
ポッキー同士がこすれあい内壁や前立腺を刺激した。
それを何度か繰り返せば、そのたびに喘ぎ、腰を跳ねさせる絳攸が可愛くて、楸瑛は執拗に絳攸をポッキーで犯し続けた。
「しゅう、え…もっ、ヤダ…!出したい…ッ中、ヤ、ぁっ」
後ろをポッキーで、そして射精口をふさいだままの屹立をもう一つの手でしごけば、絳攸はすがるように楸瑛に泣きついた。
甘く蕩けるようにごめんね、と囁く楸瑛。
(お前のごめんは謝ってないだろう!)
言ってやりたいのに、体が熱くて、どうしようもなかった。
「早く、イかせ…ろ!っ」
「そうじゃなくて、早く入れてって言ってみてよ」
どうやらまだまだ絳攸をいじめたいらしい楸瑛は、全てのポッキーを半分くらい引き出したあたりで止め、絳攸の言葉を欲しがった。
「誰、が…ッ言うか!」
「ええー、残念」
対して残念がってもないような声音で、ふっと笑うと、楸瑛は中の物を一息に外へ引っ張り出した。
「っハ、あ!ンっあぁ…アぁ…ッ」
そして蕾が閉じる隙も与えず、昂った己のものを一気に絳攸の中へ突き立てた。
熟れた、と言うのがぴったりな熱い、絳攸の中。
うねうねと締め付け、絡みついてくる襞に、楸瑛は感じ、息を詰める。
「絳攸、」
「ん、っ…ア、アッ」
少し体を揺すられただけで、白い喉をのけぞらせ喘いでしまう。
ポッキーは確かに感じていたが、やはりどうにも楸瑛には適わない。
抱きしめられ、突き上げられながら感じるのは強烈な快感と、そして、不思議と安心するその体温。
「いじわるしてごめんね絳攸、一緒にイこうか」
そう、甘く謝る楸瑛に、絳攸は黙ってしがみついた。
恋の効力
触れるすべてが愛しいなんて
終わり
言い訳もいっぱいしたいけど…なんかもうとりあえず、すみませんでした!
長ったらしくてごめんなさい。お疲れ様です;