恋人自慢
※双花要素あります
嫌いな方はバックしてください。
藍楸瑛が誘ってきたのはとある高級店だった。
自分では到底入れないような高いし敷居だったが、藍将軍のおごりと言うならといそいそと着いて行く。
「俺に話って、なんです?」
そんなに親しく付き合いがあるわけでもない楸瑛の誘いに、燕青はさくっと本題に入るよう促した。
ちょっと話さないか、なんて言葉で誘って来たのは楸瑛の方だ。
楸瑛は杯を仰ぎ、ため息をついた。
「いや、先に確認したいんだけど、君、静蘭と恋人同士だよね?」
「ええ、まあ。あいつそんな話するんですか?」
期待半分に尋ねると、楸瑛は苦笑して首を振った。
「いや、勘かな」
「さっすが遊んでる男は違いますね」
「…それは嫌味かい?燕青殿…」
「いえー、男としては別にいいんじゃないんですか。まあ将軍さんの場合は、本命いるくせにー!って気もしますけど」
「―っ」
ニヤリと笑って言えば、楸瑛はうっと息を詰まらせた。
恨みがましげに燕青を見て、なぜ、と聞いてくる。
「勘、ですかね」
「そうなると燕青殿も遊んでる口かい?」
「まさか!俺は動物的勘ですよ。」
静蘭お墨付きですと言えば、楸瑛は力なく微笑んだ。
「君たちがうまくいっているのはよく分かったよ。それで、私の本命のことなんだけどね…」
どうやらそれが本題だったらしく、そこから楸瑛はせきを切ったように話しだした。
相手が冷たいだの、触ると怒るだの、取り方によっては惚気にしか聞こえない話を燕青は小一時間ほど聞き続けた。
「…つまり愚痴りたかった訳ですか…」
「…まあ、そうなるね」
楸瑛はあっさり認め、すまなかったねと謝った。
「謝ることはないですけど、でも絳攸様初そうだから余計しんどそうですね」
「そうなんだよ!そこが可愛くもあるんだけど」
「静蘭なんか普段あんなですけど、始めちゃえば結構積極的ですから」
「え?!そうなのかい!?」
なんて、そんな話題に火がつけばもう、ただの恋人自慢にしかならなくなってくる。
ここがいい、あそこが可愛いと言いあい。
あほな男2人の夜は更けていった。
そして酒も入り、疲れ切った2人は朝日を見て力なく笑った。
「……結局、何がしたかったんですか俺ら…」
「…さあ、でも…私は中々楽しかったけど」
「俺も楽しかったです」
「…また2人で飲もうか…」
「そうっすね。肴なら十分ありますし」
「とりあえず、早く帰ろうか」
「話してたら逢いたくなったってやつですか?」
「君もだろう?」
恋人自慢
互いにバレたら恐ろしいけれど
END
結局何が書きたかったんだ私…。