甘えたがり
「ねえ、それ僕も飲むよ?」
「え?あ、ちょっと恭弥!」
ディーノの静止の声と、雲雀がそれを嚥下する音が重なった。
「美味しい…」
「美味しいって…それ以上はダメだ。お前未成年なんだ、っておい!」
言ってるそばからワインを飲みほして行く雲雀に慌てる。
がしっと腕をつかむと、じろりと睨まれた。
上目づかいのその表情は怖いというよりむしろ可愛い。
いや、どんな表情でもこいつは可愛い。
目線が絡み合っただけで緩みそうになる頬を締める事ができずディーノはへらりと笑う。
「……何笑ってるの?気持ち悪いよ」
「え?あ、いや…じゃなくて恭弥!それ以上は絶対だめだからな!」
「…ケチ」
「へ?」
いつの間にか4杯もの葡萄酒を飲んでいた雲雀に先ほどより口調を強めると、雲雀は微かに唇をつきだし、えらく可愛いしぐさをする。
ケチ、と拗ねたように言う雲雀にディーノは思わず面食らう。
ほんのりと目元が赤く、頬も上気しているように見える。
まさかもう酔ってしまったのかとディーノは慌てる。
「恭弥?」
「なにー?」
「………」
「だまりこんでどうしたの?でぃーの?」
駄目だ。遅かった。完全に酔っぱらいだ。
いつものきつい視線もなく、甘えるようにすり寄ってくる雲雀に面食らう。
理性の糸がぎりぎりと限界を告げている。
「恭弥…」
自分で言ったが恭弥は未成年だ。
それどころかまだ日本では義務教育の域すら出ていない。
頭の中で同じことを反芻し、耐えるディーノの心情を知ってか知らずか雲雀は腕を絡め額を押し当ててきた。
「でぃーの…あつい」
「そりゃいきなりなんなに酒を飲んだらそーなるって」
「ねぇ、でぃーのー。冷まして?」
その言葉とおもにいきなり服のボタンに手をかける雲雀にさすがにディーノもぎょっとする。
その白い肢体を目の当たりにして理性なんて持つはずがない。
「待て!恭弥!」
「だめ……?」
ブチリ
本当に音を聞いた気がした。
頭より体が勝手に動き、雲雀の体を押し倒し、組み敷いていた。
「…っ恭弥…」
貪るように重ねた唇は甘い葡萄酒の香がする。
その香りにも、感触にも酔いしれる。
唇を割り開いて入り込んだ舌で口内を舐めてやると気持ちがいいのか雲雀の体はびくりと跳ねた。
ああ、くそっ
正直な体は早急に求めている。
今まで多くの女性と関係を持ってきたが、こんなにハマる人はいなかった。
「っは、でぃ…の…っ気持ちいー…」
「っ煽んなって!」
アルコールのせいでいつになく素直な雲雀に煽られる。
華奢な肢体に見合わない、恐ろしいくらいの凶暴性と能力。
人との付き合い方なんて知りませんって顔をしているくせに、腕の中の雲雀は淫らに乱れて自分を求めて。
未成年を、それもボンゴレファミリーの大事な守護者を、犯し弄ることにディーノは罪悪感と共に、確かな仄暗い快感を持っていた。
「恭弥、いいか?」
「ん、んーっ」
「……堪んねっ…」
可愛らしい声を上げられ、ぎゅうっとしがみつかれてディーノのものが1つ脈打った。
とろとろに解かした窄まりに先端を押し当てると誘い込むようにひくついている。
ぐちゅ、
卑猥な水音を立てて、中へ進むそれを、受け入れる体。
そこまでこの体を開いたのは自分だと、行為を行うたびに実感し、独占欲に酔いしれる。
「く、う……あ、ああ…くるし…っ」
「…っすぐ、慣れっから…」
は、っと息を吐き呼吸を整えようとする雲雀を気遣って、爆発しそうな自身を抑え込み、雲雀がその質量に慣れるまで待つ。
「も、いい…から、っディーノ…」
じくじくと甘い疼きに耐え切れなくなった雲雀が先を求める言葉を口にした途端に、激しい律動を開始する。
途切れ途切れの甘い声と言葉に、アルコールは当分控えさせようと思う。
これじゃ毎回理性が持たねえ。
自分でも止められない熱を激しく打ちつけながら、ディーノは珍しく持っていかれそうな自分に苦笑した。
「頭痛い」
「いきなりあんなきっついの飲むからだろ。ほら、水」
「気持ち悪い」
「あんなに飲んだらそりゃそーなる」
「…腰痛い」
「う…ごめんなさい」
朝起きて、うつぶせになったまま文句を言う雲雀に水を差差し出し、背中を優しくさすってやる。
最後にぼそっと言われた文句には直に謝る。
もし雲雀の体調が良かったら殴られてたかもしれない。
「もう、飲まないあんなの」
むすっとした顔で宣言した雲雀にディーノは内心でそうしてくれと呟いた。
END
□後書□
20000hit時の永様よりDH激甘のリクでした。
どんだけ昔の話だってくらい遅くてごめんなさい!!!
激甘意識しすぎて
なんかベッドインしちゃいましたすみません
こんなものでよければ受けとってやってください。
2009.3.4