Dolce come rosso








俺のすべてはあいつのモノで。
あいつのすべても俺のモノ。
きっと何よりも大切で
何よりも愛してる



この髪も

この目も口も

声も体も全部


全部。


ただ存在が愛おしい。








―Dolce come rosso―








秋も深まってきた季節。
目の前に広がる、紅く染まった木々を見ながら、日本の秋は美しいものだと思う。
血と同じ赤色なのに、全く違う優しい色。
口の端から零れおちた鮮血が、地に散った紅葉の上に落ちた。


「ハァ…ハァ…」


口を開くも、腹にくらった一撃のせいで言葉は出ず、荒い呼吸を繰り返す。


突然だった。
ザンザスがいきなり怒ったかと思うと、拳で腹を殴られていた。



・・・・


「くっ…!!ぉおい!!いきなり何しやがる!?」

「カスは黙ってろ」


こいつが横暴なのはいつものことだ。
自分にそう言い聞かせて、大人しくされるがままにされた。




「まさ、か…こんな所で…!?」


「文句、あんのか?」


庭園と言われる場所に倒された。
目的なんか最初から分かっていたのに、いざ太陽の下だと思うと躊躇う。
それでも、ボスの声を聞いただけでそんなこともどうでもよくなってしまう。
自分ではどうしようもない。


「期待してんのか?」


乱暴に服を剥ぎ、露にした裸体を眺めてニヤリと笑うザンザス。
よく見ていても中々わからないだろう笑顔だが、どんな変化だって俺は見逃すことはない。


「こんなにして…淫乱」

「うぁ…!!?」


乱暴に乳首を引っ張られ、痛さに呻く。
快感なんかなくてただ痛い。
そんなセックスだった。




そして冒頭に戻る。


もう何回したかも覚えていない。
体のあちこちがジンジンと痺れて、感覚が薄かった。

目に映るのは、赤い葉と、瞳。
重たい腕を必死に持ち上げて、逞しい身体にしがみ付く。
中に入ったままのザンザスのものが脈打ち、また質量を増したのが分かった。


「は、ぁ…」


そしてそのまま揺さ振られる。
数回分の精液がかき混ぜられ。卑猥な水音をたてた。

「ザン、ザ…もっ、、ダメだぁ…!!」


掠れた声で促すと、ザンザスは俺を抱え直し、最奥まで貫いた。
快感が体中を麻痺させる。


「ふぁあ!!ザンザスっ」

自分の声でないような甲高い声で大好きな名を呼ぶ。
喉が潰れたって構わないと思えた。

「…っく…!」

ザンザスの精液が体内に注がれ、俺ももうすっかり薄くなり量のないそれを吐き出した。
そのまま俺は意識を失う。
落ちる寸前に唇に温かいものが触れたのが分かった。











赤い…






ぼんやりと目を開くと真っ先に赤色が飛び込んできた。
まだ外にいるのだろうか。


体が重くて指1本動かすのも億劫なくらいだ。

ぉ?」

2,3度瞬きをして、赤色の正体がザンザスの目だと気付いた。
ザンザスはぼんやりと俺を凝視したまま動かない。
視線を辺りに巡らし、ここがザンザスの部屋だと確認する。
ならばここはベットか。

「寝ろ」

体が動かないのでキョロキョロとしていた俺に、ザンザスが短く言った。
そう言ったザンザスの目もすでに閉じられ、赤色はもう隠されていた。


明日はきっと動けないからこのままベットで過ごすことになりそうだ。
その時、赤い瞳と眺めていれたらいいなどと、考えながら押し寄せる眠気に俺も身を委ねた。



End




○あとがき

7777hit踏まれた空様からのリクでした。
空様ありがとうございます!

「鬼畜だけど実は甘いザンスク」

とのことだったんですが…
き、鬼畜表現ないですよね;;
ぬるいどころか甘くて申し訳ありませんでした!!(土下座)

しかもかなり遅くなってしまって本当ごめんなさい。。。

空様のみお持ち帰り可です。

駄文にお付き合い頂きありがとうございました。


2007/11/4 氷雨澪






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