My daring



静蘭はほんとに綺麗だと思う。
恋の欲目??
とんでもない!!
誰がどこから見たって絶対!!ありえないくらい綺麗じゃん!?


俺の気持ちを打ち明けて、静蘭も同じ気持ちだったと知って、神様なんか信じてないくせに柄にもなく感謝したりした。
ホント嬉しくて、周りなんか見れなくなってたんだよな。



静蘭は綺麗で、女ばかりか男にまで狙われるような奴だ。
俺はいつも心配でたまらない。
静蘭が浮気するなんて心配したことはないけど…。
あんな奴が一杯いるから…




「よぉ静蘭。何してんだ?」


静蘭に声をかけたのは、静蘭より少しだけ地位が上の武官だった。
面倒そうに、それでも人当たりの良い笑顔を浮かべて静蘭は振り返る。


「今から家に帰るところですが?」


言外に、だから私に構うな、と含めて言うが相手は全く気づかなかった。
静蘭は軽くため息を漏らす。
早く家に帰りたいのに・・・と、顔に書いてある気がする。




「そんなこと言わないで俺と少し飲んで帰ろうぜ?」




「いえ、遠慮します」


何故、名前もろくに知らない男と飲まなくてはいけないのか。
とでも言うように丁寧に、でもきっぱりと静蘭は誘いを断った。




俺はホッと息を付いた。
静蘭は気付いていないが、あの男確実に静蘭狙いだ。



男と静蘭はその後2言、3言言葉を交わして、男が諦めたように去って行った。








「よー静蘭」



男が去った後、俺が声をかけると一瞬驚いた顔をしたが、すぐに穏やかに笑う。
こんな時、俺ってやっぱ愛されてるなぁ…って思ったり。



「何だ?」



それでも仕事場だからか、俺とは1歩空けた位置から言葉を返す。
そんな静蘭の肩を組むと、紅くなって暴れる。



「離せっ!馬鹿!//」



「えー、いいじゃん。一緒に帰ろうぜ?」



どうせ同じ家に住んでんだからさぁ。
って言うと、お前はただの居候だ、と返された。
その間も静蘭の顔は紅くて、正直すっげぇ可愛い。
我慢出来なくて、素早く口付けるとますます紅くなった静蘭に怒られた。




「時と場所を考えろ!!!」



「悪い…つい、な?」


「………はぁ、何がついだ…」



呆れたように言うけど、静蘭だって満更でもない感じ。
肩から手を離すことを諦めたみたいで、黙って俺に抱かれている。












「……髭…。」



「どーした静蘭?」



流石に肩を抱いたまま歩く訳にはいかないので、俺達は微妙な距離で歩いていた。
市場を通る時は、2人共、壌ちゃんに何かないかと探すので静かになっていた。



俺が、あの葱いいかも。
なんて思って見ていると、横で静蘭が小さく何かを言った。



「髭、剃ればいいのに……」



それは俺の顔を見て自然と言ってしまったようで、その言葉に俺は苦笑する。


「かっこいいだろ?」



「する時に邪魔。」



このする時が、接吻なのか性交なのかは分からなかったが、とりあえず邪魔らしい。



「じゃあ剃る?」



俺が尋ねると、それも嫌だと言う。
理由を問うと、静蘭はしばらく黙った後、小さな声で答えた。



「髭で薄汚く見せてないと……好意を抱かれやすいだろう、お前は。」



「……っ///静蘭…」



つまりは嫉妬だろう。
俺はバッっと赤くなると、口元を手で押さえる。
そうしないと、この往来を市場であっても何を口走るか分からなかった。
それ程に動揺し、また嬉しかった。



「か、勘違いするなよ!!私は別に…」


俺の反応を見て、自分が何を言ったのかに気付いたのか、静蘭の頬は先程の比ではない程に赤く染まった。




かわいー



道端で危うく理性が飛びそうになった。



さりげなく人通りの少ない路地裏へ静蘭を連れて行って、噛み付くようにその唇に口付ける。



「……ぅ、ん……燕青」



息継ぎの間に甘い声で名前を呼ばれると、背筋がぞくりと粟立つ。



引き寄せて、これ以上ないってくらいに密着する。
おずおずと静蘭も俺の背中に腕を回し、長い間俺達は互いの唇を味わい続けた。












‥‥‥‥‥


帰り道、すっかり暗くなった道をゆっくりと歩く。



「お嬢様を待たせてしまったな…」



「あー…」



静蘭に言われて呻く。
確かに壌ちゃんならご飯を食べずに俺達を待ってそうだ。





どちらからでもなく、俺達は手を取って走った。





道行く人に自慢するように。



俺の恋人は世界一だと。






End




●あとがき

あゎわわΣ((◎Д○`))
出来上がったはいいけど……
これキリリクに沿えてますか!??

えっと、カピ様。
まずはすみません!
それから、リクありがとうございました(*´ー`*)
いつもキリ番報告やリクを頂いて、本当に嬉しく思っております。


こんな作品ですが、よろしければ貰って行って下さい。
カピ様のみお持ち帰り可です。



では、カピ様と読んで下さった方、本当にありがとうございました(´∨`)



2007/8/23 澪






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