落下途中





落下途中








もうどのくらい経ったのか時間の感覚が失われるとともに、布団に縫いつけられた両腕の感覚もなくなっていた。
自らの帯で堅く結ばれた上から、高杉の右手が押さえつけている
そんなことをせずとも逃げないのにと思うが、口にしても仕方のないことだろう



「いいザマだなあ、ヅラ」



クッとのどの奥で笑った高杉は、桂の蕾に飲み込まれたものを指で更に奥に押し込んだ。



「あ、うっ」



強い刺激に体が震える
大きく開かされた足の間にはいつものように高杉のそれと繋がっておらず、今日は温もりのない物を押し込まれ、なぶられ続けている
突然のことで全形は見ていないが、恐らくそういったことを目的に造られた玩具だろうことは分かる
どうしてそんなものを使われるのかは分からなかった



「高、杉…な、んで…?」

「……」

「ひぁ、っ」



問いかけに答える声はなく、代わりになかに埋め込まれた玩具が振動した
びりびりと走る快感に身を震わせ、腰を起点に体が跳ね上がる。



「も、止め……あ、んああ!」

「止めていいのか、こんな状態で」

「や、あっあん」




ぴんとむき出し先端を弾かれ、あられもない声が漏れる
性感帯に刺激を与えられれば誰でもそうなると分かっていても、今は高杉自身でないものに責められて感じる自分がひどく浅ましく思えた。
与えられた刺激にびくびくと脈打ち、絶頂が近いことを知らせる



「ん、ったか、すぎ…もおイク…っ」

「勝手にイクな」

「ひっ、いやだ、離せ…っん!」



ぎゅっと握りこまれ射精をせき止められ
どうして、と見上げた瞬間に荒々しく舌を吸われた
高杉の興奮を教えるような口づけに、驚くくらい体が震えた

これまでの快感とは比べ物にならない
まるで絶頂を迎えた時のような凄まじい快感
細胞のすべてが高杉を求めている



「高杉、欲しい…!」



求めるままに名を呼び、縫い付けられた手に砕けた腰がわずらわしくて体を揺らす
高杉は一瞬驚いた顔をしその後微かに口角を釣り上げた。

悪かったと小さく謝罪を口にしたあと、高杉は桂の拘束をすべて解き、埋め込まれたままの玩具も抜き取った。



「あっ…んっ!」



体の中の質量がなくなったと、感じる間も与えずに高杉のものが挿入される
散々馴らされたそこはすんなりと受け止め、微かな痛みもすべて快感に変換した



「ヅラ…」

「んっ………んあ、あ」



名を呼ばれ、キスをされ、ガクガクと揺すられれば後はもう何も考えられなくなった
繋がった部分が熱を持ち、そこから溶け出すのかと錯覚を覚える




「も、イ、かせて………っあ、やああっ」

「ひ、あ、ああっ!」



ぐるりと中で回転させるような動きをされ、感じる場所を的確にえぐられ
拘束を解かれた腕でしがみつきビクビクと震えながら、高杉の腹の上に射精していた。
ほどなく、体内をかきまぜていたそれも大人しくなってずるりと引き抜かれた










「痣になっちまったなぁ」

「誰のせいだ」

「俺、だな」



そっと桂の手首に指を這わした高杉は、ゆっくりと舐め上げた
帯で縛られていた跡というよりは、高杉が抑え込んでいた重みだろう
そう思えばその痛みすら幸せに思えるのだから自分の頭は相当やられている

好きだの愛してるだの、美しい言葉は自分たちには合わない。
こうして傷つけ合った傷をなめ合うような倒錯した関係が一番似合っている
桂は小さくほほ笑んで、そっと高杉の左目に唇を落とした





END


最初から最後までぬるーいえろですみません
練習(?)してました難しいです…
これ、R12くらいですかね?






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