なまえ








「続きはここでゆっくりとやるぜ?」



そう言って引き入れられた寝室。
何度も口付けられ、力の抜けた桂がどさりと布団の上に下ろされる。




なまえ




「ま、待て高杉…お返しなんて別に、」




慌てたように高杉の着物を掴む桂。
元よりはだけている胸元がますます開き、なんともいえない色気を醸し出した。
桂はとっさに手を放し、赤面しながら顔を背けた。




「貰いっぱなしってのも悪いだろ?」


「っ…べ、つに構わん」


「そう言わずに黙って受けとれ…」




桂の首筋に顔をうずめ、少し荒く吸い上げる。




「っ…」



チクリとした痛みとともに、真っ赤な跡が付いた。
その後をすっと指でなぞった高杉は、そんなことにさえ反応を返す桂を見て楽しそうに笑う。



「黙ってとは言わねぇ…好い声で啼けよヅラァ…」



ククッと笑みをこぼす高杉。
反論しようとした桂の口が再び塞がれる。



「ヅラじゃな、…ん、んぁ」


「好きなんだろ、なぁ?」



それはこの行為のことを聞いているのか。
高杉本人のことを聞いているのか、分からないがこのまま流されたくない桂は首を横に振り、否定を示す。




「今に素直にさせてやるよ。」


「ぁ、高杉そこ、や、め…」




知り尽くした桂の躯。
的確に刺激を与える高杉相手になす術もなく、彼に言われた通り艶っぽい声で喘ぎ始める桂。
それがくやしくて、無意識に堅く唇をかみしめる。



「っく、ンン、」


「ヅラァ…血が出るぜ?」


「ン、ぅ…っん」



強情な桂に溜息をひとつ漏らすと、高杉はおもむろに唇を重ねる。




「、んふぅ…ぁあ!」



塞げない口から零れおちる声。
高杉は満足そうに片頬で笑い、桂の下半身に手を伸ばす。



「たかす、やっ」


「ここまで来てやめる訳があるめぇよ……!ククッ」



全てを剥ぎ取られ、一糸纏わぬ姿にされた桂。
その美しい裸体を見て、高杉が愉快そうに笑った。



「ヅラァ。体は正直だな。」


「!?っ」


「もっと快感に溺れさせてやるよ」




完全に立ちあがった桂の性器に指をからめると、それだけでいっそう高い声で喘ぎ始める。




「っかすぎぃ…!も、出るから離・・・っせ」


「構わねえよ。お前のイク姿見せろ」


「は、ぁん、ぁああああ」



ビクリビクリと体を跳ねさせて、白濁が飛び散る。
その様子に桂は羞恥心を刺激され真っ赤になった。
しかし今の体にはその羞恥もまた快感となってしまう。
再び元気を取り戻したそれを見て、高杉が笑みを深める。
もとより止める気などまったくなかったのだが。




「ここからが本番だぜ、ヅラ。」


「…っヅラじゃ、ない!桂だ…っ」



いつものように言い直す桂の胸元に新たな跡を散らせる。



「そうだったなぁ。…小太郎…。」


「っ!」




2人の夜はまだ始まったばかり。










End

■□■□■□■□

『ことば』の続き、の微裏。
香咲様のお言葉に背中を押されました(感謝感激です!)
本当は最後まで書いちゃうつもりだったんですが…
「表に置ける裏」を目指したせいでまた中途半端に…。

お読み下さってありがとうございます!


2008/6/20 澪






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