「櫂くんはさ、いっつも三和くんと一緒にいるよね」

「ああ」

「学校とかでまわりから、なんか、付き合ってるとか、思われたりしてない?」

「目立つ誰かが連日校門まで俺を迎えに来たりしてから、俺は他校のやつとつき合っていると有名になったがな」

「そ、そっか……!」

「嬉しそうにするな。目立つからやめろと言ってるんだ」

「でも、女の子の友達とか、いないの?」

「……まあ」

「Q4のいつもいるみんなも男の子が多いよね。戸倉さんと、アイチくんの妹さんぐらいだよね女の子」

「……あいつらは、わりとサバサバしてるからいいが……女子は苦手なんだ」

「そうなんだ……」

「学校の女子たちには、嫌な思い出ばかりだから」

「何かあったの?」

「まあ、まずあのグループを作って行動するというのが理解できない」

「櫂くんそういうの苦手そうだね」

「ただ仲良くするだけならまだしも、何故トイレに一緒に行かなければならない?気持ち悪くないか?」

「ま、まあそうだね……」

「しかもトイレに行こうと誘われて断ったら即陰口たたかれるんだ」

「うん……」

「移動教室も一緒にが当たり前だし、休み時間や昼休みの間ずっとしゃべり続けて、楽しいか?1人でぼーっとしてたくてそうしてたら、ノリ悪いってまた陰口たたかれるし」

「……」

「それで嫌になって素直に三和とつるんでたら、三和の事が好きだとかいうやつと、その友達数人で俺を囲んで『三和くんとつき合っているの?』と、まくし立ててくるし」

(やっぱり付き合ってると勘違いされてたんだな……)

「違うと言ったら、気の強そうなやつに『この子三和くんの事好きだから気使ってよ』とか言われて、まったく意味がわからない」

「そうだね……」

「最終的に三和の『俺そういうの嫌いだわ』という一言で片付いたけどな」

「すごいね……三和くん誰とでも仲良くなれそうだし凄くモテそうだもんね」

「……そういえば、光定も女子に人気あるんだな」

「えっ」

「前に俺を迎えに来た次の日、『昨日の人だれ?』と、また女子に絡まれた」

「そ、それは迷惑かけちゃったね……!」

「まあ、彼氏だと言えばすぐに解放された。舌打ちされたけど」

「舌打ち怖い!!ていうか僕の事彼氏って説明する櫂くんだなんてそんな、すごくその場に居たかった……!聞きたかった……」

「何言ってるんだ、彼氏だろ?」

「……うん!」

「よくわからんが嬉しそうだな」



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