暑い日が続く夏
街は多くの人で賑わっていた
今日は祭なのだ
年に一度、夏に開催する
何を祝っているのかは分からないが、街の人達は皆楽しそうにご飯を食べたり昼間からお酒を飲んだりしていた
その中、日傘を差しながら街を歩く女が1人
この街ではある程度名が知られている名家のお嬢様である
有名な事もあり、街の人達からは"ノワール様"と呼ばれていた
「お嬢様が1人で歩き回ってて大丈夫なのか?」
「…誰も楽しい祭の日にわざわざ騒ぎを起こそうなんて考えないでしょう」
遠巻きに見る人々の中、物怖じもせず砕けた話し方で接する男性
彼はこの街を守る警察である
失礼ながら警察としての立ち振る舞いではない
しかし実力はあるのだ
実際、この人物に助けてもらった事がある為、ノワールはこの男性を信頼している
そして密かに恋心を抱いていた
しかしノワールは大事に育てられたお嬢様
それも少し高飛車に育ってしまった
素直になれるはずもなく、好きな相手にすらトゲトゲしてしまう
「ウィン、貴方もう少し真面目に働いた方がいいんじゃない?」
「あ?そーだなぁ…ま、今日の俺の仕事はノワールお嬢様の護衛、だろうな」
日傘で顔を隠しているノワールを覗き込むように下から見上げるウィンと呼ばれた男性
彼は不適に笑っている
そんな表情ですらノワールにとってはかっこよく見えてしまうもので
惚れたほうが負け、とはよくいったもんだ
ノワールは真っ赤に染まった頬を隠す為、傘を深く差し、早歩きで距離を取る
そんな彼女の態度を見て、何もかも見透かしたような顔をしたウィンは、楽しそうに笑いをこぼし、彼女のあとを追い掛けて行った
診断メーカ
ノワールへのお題は『惚れたほうが負け、とはよくいったもんだ』です。
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