花言葉 | ナノ
まるでサンユウカのよう



「なまえさん。」
「あれ、目金くん。どうしたの?」

カタカタとパソコンのキーボードを指で叩きながら、なまえさんは振り向いた。相変わらず整った顔で微笑むなまえさんにドキドキと胸が高鳴る。本当に、彼女は僕と同い年なのだろうかと疑うほどに、美しい。

「こ、これ…前に言っていたデータです。」

そう言って僕はポケットに入れていたUSBコネクタを差し出すと、「ありがとう。」と言ってなまえさんはまた微笑んだ。

「そういえば目金くんは兄弟いたっけ?」

余りにも突然な質問に、思わず「えっ?」と声が出た。キーボードを叩いていた指を止めて、こちらを見上げる。

「双子の、弟がいます。」
「へえ、双子なんだ。」

「いいなあ。」となまえさんは呟いた。「私…一人っ子だからさ、羨ましいな。」そういってなまえさんは笑う。

「でも、喧嘩とかしょっちゅうですよ。」
「いいじゃない。喧嘩するほど、仲がいいって言うし。」
「…まあ、否定はしませんが。」
「じゃあその弟くんと目金くんは仲良しさんなんだね!」
「いいいやそういう訳では…。」

慌てて否定すると、なまえさんはくすくすと口に手をあてて笑った。「か、からかわないで下さいよ!」「ごめんごめん。」滅多に声をあげて笑わないなまえさんがくつくつと肩を揺らして笑っている。珍しいな、と思いつつその笑顔はまるで、サンユウカようだと僕は心の中で呟いた。


(サンユウカの花言葉は、白い天使)
(彼女の笑顔は、それに匹敵するくらいに美しくて、可愛い。)

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