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chain(5/5)



目を覚ますと、隣にのしんの姿はなくて――…。


シワの寄ったシーツが、まだ少しだけ生暖かい。


目を閉じると浮かぶ、

髪がアッシュでオールバックの男を見ている、のしん。


綺麗だと思った。

恋をしているのしんは、綺麗だと思った。


後悔なんてしてなくて。

だけど、以前の関係には戻れない。

それだけは確か。


そっと、枕元の携帯を握りしめる。

かける番号は、バンドのメンバー。


「もしもし?うん、俺。井上。悪いけどさ、バンドやめることにする。……悪い。切るね。」


突然の申し出に、メンバーが納得出来るはずなんてなくて。

ひきりっなしに鳴る、俺の携帯。

煩わしくなり、電源を切った。



資格がないから。

バンドにいる資格も、

のしんの隣にいる資格も。



だって――…


前に進まなきゃいけないから。




END



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*あとがき*
GSのBL小説で初一人称です。
ちょっと三人称でこれ書くには無理でした。

もちろん、アッシュグレーのオールバックは佐伯のことです。
井上→針谷→佐伯
こんなかんじ?

レックロ辞めさせることになって、ごめんね…井上くん(´・ω・`)

読んでくださって、ありがとうございました!

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