!共に成人済み









「…遅せーな」


今日は泊まりに来ると言っていたのに、時計の針はもう11時を過ぎている。

事故にでも遭っていたらと不安になる反面、約束の時間が守られないことに妙にイライラして。転がっていた枕を壁に投げつけていると、インターホンの音が鳴った。


「遅せーよテツ、お前9時には来るって……っうわ」

ドアを開けた瞬間重いものが倒れ込んできた、それはテツだった。


「っ何だよ、熱か!?ケガか!?」

抱き留めた身体を起こして顔を覗き込む。
…赤い顔をして、


「………あ?」

「あおみね、くんー」


笑っていた。


「…テツ、酒飲んだな?」

「ふふ、あおみねくーん」

へらへらと笑って抱き着いてくる。全体重をかけてくるからよろけそうになった。ふにゃふにゃとおぼつかない身体を支えてなんとかスニーカーを脱がせる。


「はっぴー、ばーすでー」

「え、いやお前」


覚えてたのか。そう思いながら運ぼうと抱き上げると、首に手を回して顔を近付けてきた。


「キスしてください、キスー」

「っおい、前見えねーよ!」


こいつこんなに悪酔いするタイプだったのか、こんな状態でハッピーバースデーも何もねぇよ。あと1時間で終わるし。呆れて溜息をつく。


「ほら座れ」

「んー」


ベッドに下ろすとぼーっとした様子で床を見つめている、頬はわずかに紅潮していて。
隣に座って顔を覗く。

「テツ?……っわ!」


突然飛びつくように倒れ込んできて、二人とも変な体勢でベッドにもつれ込んだ。枠にぶつけた頭が痛い。


「…お前酔いすぎ」

「よってないですよー」


身体もいつも以上にふにゃふにゃしている気がする。頬に触れようと手を伸ばすと、首に腕を回して抱き着いてきた。髪の匂いが鼻をくすぐる。
頬にキスしてきたと思うと、そのまま唇を重ねてきた。


「…ん、…ふ、」

舌が潜り込んできて歯列をなぞられる。そのまま自分の舌を絡めて吸い上げると上ずった声を上げた。


「……したいです」


デニムの上から自身を撫でられる。やや硬さを帯びているのを確認すると嬉しそうに笑って、ジッパーを下ろして舐め始めた。

「ん…、む」

ぴちゃぴちゃと立てる音が耳まで刺激する、舐めている表情が妙にやらしくて、頬は朱く染まっていて。


「…っテツ、出る、から」

「…んっ…、ぅ」

「テツ、」

頭をどかそうとしたけど離れなくて、衝動的に頭を掴んで打ち付ける。奥に当たって、んぅ、と低い呻き声を上げる、その喉奥に吐き出した。ごくり、テツの喉が上下する。瞬間の艶やかな笑み。


「お前、飲まなくていいって…」

「おいしいですよ」

「嘘つけ!」

指をぺろりと舐めてそのまま身体をすり寄せてきた。紅潮したままの頬と物欲しそうに潤んだ目。肩に顔を乗せて上目遣いで覗きながら、さっきまで俺のものを舐めていた口が開く。

「青峰くんの、欲しいです」

「…まだやんねぇ」

イったばっかだから、そう言うと不満げな顔をして右手を取られた。口に含んで舐め始める、指の付け根からゆっくりと舌を滑らせて、表情も舌の動きもさっきと同じでぞくりとする。


「………んっ……」

床に立てさせた俺の指を、テツの穴が飲み込んでいく。入り込むにつれて唾液が音を立てて、ずちゅずちゅと水音が響く。人差し指が温かい内壁に包まれた、柔らかくて唾液でぬるぬるとして。


「…っぁ…ん」

俺の肩に手を掛けて、もう片方の手で俺の腕を固定して、腰を上下に動かし始める。


「ふっ…ぁ、…ぁ、」

ぐちゃぐちゃと音がする。目を閉じて、声を上げながら腰を揺らして。吐ききったばかりの自身が硬くなっているのが分かった。

中に飲み込まれた指を入口で折り曲げると、途端にびくりと震える肩。そのままゆっくりと内壁を擦るとぶるぶると小刻みに震え始めた。


「っんぁ…、や」

「あ?嫌?」


ちがう、途切れ途切れに吐き出す声。とろとろと垂れていた透明の先走りが自身を伝って、俺の手首を濡らしていく。


「おく、…もっと、奥がいい…、」

中で折り曲げた指をゆっくりと伸ばしていくと甘ったるい声が漏れ始める。指先で奥を突くと瞬間的に声が上がる、ぴんと背中を反らして。


「あっ…ゃ、はっ…」

垂れる先走りを後孔に塗り込んでいくとゆっくりと抱き着いてきた。身体はまだ震えていてとても熱い。


「…あ、っおみね、く…」

「ん?」

「…青峰くんの、っぁ…いれて、…っ」

「…自分でやれよ」


仰向けになった俺に跨がる。濡れた後孔が触れてぴちゃりと音を立てた。俺のものを当てがうとゆっくりと腰を下ろしていく。痛みで顔が一瞬歪んで、徐々に嬉しそうなものに変わっていく。


「っん……あ、あ…っ」

「……っ」

ぐちゃぐちゃに濡れた穴と、音を立てながら飲み込んでいく肉と。あおみね、くん、途切れ途切れに何度も呼ぶ声。


「あっ……ん、ぁ…」

全部入りきると一瞬背中を丸めて息をついて、やがて腰を動かし始めた。中で味わうかのようにゆっくりと。焦れったくてもどかしくて、腰を掴んで突き上げる。


「っあ!やっ、ぁ、ん…!」


背中を反らせて喘ぎ声が上がる、勃ち上がったテツのものを握るとそれはいっそう大きいものになった。手の中で先走りが溢れて、突き上げに合わせてぐちゅぐちゅと音が立つ。


「っや、ぁ、…っぁ…!」

突き上げながら擦り上げると、泣きそうな声を上げて倒れ込んできた。身体を抱き留めると目尻から涙が零れて、頬に落ちる。


「…テツどけ、出るから、っ…」


どかそうと腰を掴むと嫌と言うかのように、きゅ、と中が締め付けられた。絡められるテツの足。小刻みに震え始めた太腿。


「っ、いっしょ、……っ」


喋り終わる前に口付ける、絡まる舌、口の端から唾液が落ちる。舌を奥にねじ込んで上顎を擦ると甘い声が上がって、きついほどに中が締まる。肩まで震え始めて。


「っん、ぁっ……も、…っ」

突き上げの速度を上げる。俺の手に自分の手を重ねて擦り始めた。部屋に響く水音はもう、どこから聞こえているのか分からない。


「あ、ぁ、…っぁ……!」

ぎゅう、繋いだ右手に力が込められて収縮する内壁。瞬間、握っていたテツのものが震えて熱い液体が飛び散った。その締め付けにほぼ同時に注ぎ込んだ。











「…ん」

「おー、起きたか」


起き上がると顔を擦って、裸の俺を見て、あれ、と声を上げる。同じように何もまとっていない自分の姿に気付くと、え、と呟いた。


「…これ、どういうことですか」

「誘ってきたのはお前だっつーの」


横目で見ると思い出せないのか、しきりに考え込んでいる。


「…頭、痛いです」

「酔っ払ってたからな」

「あ。そうだ、青峰くんの好きなお酒買って、試飲を勧められて」

「それから?」

「…それから…」


枕に顔を押し付けて、覚えてないです、と呻く。あんなに欲しがって甘えてたのに。込み上げる笑いを抑えながら台所に向かう。


「水飲むか?」

「…お願いします」


今日は俺の誕生日なのになー、逆に世話してるなんてな。わざとそう大声で言うと、すみません、と呟いた。「でも、」言葉は続く。


「…たまにはそういうのもいいですね」

「はぁ?逆だろーが」

「誕生日だけ僕のために。いいですね」


どこの女王様だよ、溜息をつきながら水の入ったグラスを頬に押し付ける。うーんと考え込む真面目な表情。


「どんなお願いしましょうか」


笑いながら顔を傾けて、グラスの水が揺れて波打った。時計を見ると12時過ぎ、もうとっくに俺の誕生日は終わったけど。恐らくテツは気付いていない。

口を開きかけてまた閉じる。指摘するのはやめにした、もう少しワガママに付き合ってやることにして。


「お前何してほしいの」

「抱っこ」


…とか、いつも以上に甘えた声で言ってくるから。
まだアルコールが残っているなら、一生酔いが覚めなければいいのに。

そう思ったのはテツには内緒だ。



















*******
時間軸等はケーキの話とは違います。黒子は酔うと本心が現れて、全力で甘えて求めるといいと思います。


青峰お誕生日おめでとう!


20120831
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