vol.3 070921
2015/03/22 23:45

善悪とか清濁とか(って並べていいのだろうか)、私の中では年々曖昧になりつつある。
白黒はっきり出来ずに、常に灰色。
灰色のなかでも白に近い灰色や黒に近い灰色もあったりして、何だかもう……よく分からない。
自分自身も灰色だと思う。
けれど。
そんな灰色な自分も悪くないと思う自分がいたりする。

或る区域に同じ職業の人が集められている。
私はその区域を外から眺めることしか出来ない。
別に立入禁止という訳ではない。
道路は普通に歩くことが出来る。
しかし、その区域の人達がいる建物の中には無断で入れない。
つまり、内情を身を持って知ることは難しい。
だから私は外から眺める。
まるで、動物園の檻の中にいる動物を眺めるかのように。
この人達はどんな経緯で、どんな思いで、此処に来て、何をしようとしているのか。
この人達が見ている或いは見ようとしていることは、現在ではなく、数年先の未来。
未来は不確定なもの。
それを見きわめ、舵取りをするのは、非常に難しい。
間違いも多数起こり得る。
けれど、間違いは許されない。
其処で間違えると、多数の犠牲が生じる可能性があるから。
そんな難しい仕事をする立場にある人達ではあるのだが。
色合いも白黒灰と様々だし、職務に忠実かと思えば、だらしない部分もあったりするし、足も引っ張り合う。
外から見ているとたまに失笑したりするようなこともある。

でも、ふと思うのだが。
この人達が数年前に舵取りした「今」。
悪いこともあるけれど、そんなに悪くもない。
……私だけかも知れないけど。





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