ひかりすらかかずらうことなき宣夜
いちどは座標系まで帰っておいで
共振仮説
離れても尾びれ/背びれ
おのずから光るがらくた
かいのない酔狂
引力さえ君と僕を繋げないのに

「おんぼろと空中戦の夢」



名称と形態
枯朽では済まされないふたり
ペトリコールのふるまい
丸・三角・四角の幾何学
余熱と夜明のゴースト



「花束を抱えて立っている」



降りそそぐ角度について
水溶性のくらやみ
累代のひかり
アンダンテのつぎにくるもの
いかなる虚空も許されずに



「くらげになって深海に溶けていく」



つい生身の延長で考えてしまう
この滅びには尾がある
できるなら傷口になりたかった
夜から夜へとわたる火


「灰色の荒野を往くと廃屋に
極彩色のオウムが繋がれていてもう
この世界のどこにも人間はいないことに気付く」



かつては鯨だった
それは善悪の持ちもの
すり傷で黙ってしまうきみ
約束を臓器みたいに抱えないで
苦果ばかりの国に住もうね
冬でしか喩えたくない
月もない罰もない

「あやまちたちと先祖代々の夢」



#夢十夜長で作成しました。
連想元のお題については、投降者様の規約に従っていただけますと幸いです。