裸足のふちまで満ちてくる明日

選べなかった道について
一日と人生のなにがちがうの
音もないランプのほのめき
いつかくらいは嘘じゃなかった
ピンヒールひとつできみとの距離を測る

化粧と花火
流星みたいな傷
骨を燃やしても花にはなれない
訪れたことのある異境
least fantasy

四肢をもいで代わりに名前をつけて
まなざしの模型
祝意が悪意の密度を越えたら
おまえの礎たる凍土
あなたの口調を意匠にえらぶ
手のとどきそうな幸福でまねく
火をつけたがるお年ごろ
瞼の裏でだけ慈雨がふる
どうしようもないおまえの悪筆
スプリング・イン・アナキズム

春のひとつも知らないくせに
音沙汰のない昨日
おはようには弾丸がない
息するたび永遠から遠ざかる
呪われたつもりが上手だったら

小指くらいの思い入れ
月の巡りのうちに零になる
きみと私を切ってわける
傷跡礼賛
最初に星をつくってしまったひと
劣等のシャーレ
いき方もかえり方もないのに光ってる
眠らなければ好きなことだけおもいだせるのに
あわいと名のつくもの
愛憎しか燃えるものがなかった

バベルの図書館/ローカルな抜粋
余熱でとけてなくなりますように
やんごとなき不穏
ミリメートル先の千年王国
絶望向きのイデオサヴァン

たったふたりのうちのひとり
余命じゃ足りない
悪徳ばかりそらんじる宿痾
なにもかもが終末論ほど美しければ
夢と脈絡が交わるところ



連想元「裸足のふちまで満ちてくる明日」
2020.04.25.