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その時、部屋の扉が勢い良く開いた。



「マージ!!」

「ハリー!!」

「マージ…良かった…
無事だったんだな…」

ハリーは、マージの無事を確かめると、ベッドの脇にがっくりと膝とついた。



「ハリー!!」

「ハリー!大丈夫なのか?!」

「あぁ、大丈夫だ…
俺はそう簡単にくたばりゃしないよ。」

ハリーの話によると、昨日、宿へ戻る途中に倒れてしまった所を運良くその近所の者に発見され、朝までそこで休ませてもらったということだった。



「マージのことがこんなに気になってたのに、ついうっかり眠ってしまって…
でも、本当に良かったよ…
おまえにもしものことがあったら俺は…」

「ハリー…」

マージとみつめあうハリーの脇腹をジュリアンが軽く突っついた。



「ハリー、マージに言うことがあるんじゃないのか?」

「え…?あ…あぁ、それならもう少しマージが元気になってから…」

「なぁに?
ハリー、何のことなの?
私なら大丈夫よ。」

「ほらほら、ハリー、早く言えよ!」

「ば、馬鹿野郎!
こういうことはだな…もっとこう…」

「どうしたんだい?ハリー。
私達がいたら、言いにくい話なのかい?」

「い…いや…あの…その、なんだな…」

「ハリー、顔が真っ赤だぞ!」

「うるさい、ジュリアン!」

ハリーは、深く息を吸いこむと、トマトよりも真っ赤な顔で呟いた。



「マージ!こんな時になんだが……
お、俺と、結婚してくれ。」

「…え?」

「聞こえないぞ、ハリー。
もっと大きな声で言わないと…」

「マージ!お…俺と結婚してくれ!」

「ハ…ハリー…
それ、本気なの?!」

「もちろん、本気さ!」

「ハリー…!嬉しいわ!!」



マージは涙ぐみ、マージの良心は目を大きく見開いて驚いている。
ハリーはそこで、ケネスについて調べたことを話した。
これから、ケネスとは一悶着あるだろうが、そんなことはきっと二人で乗り越えていけるだろうとジュリアンは信じていた。



「おめでとう!ハリー!
これから、いろいろと大変だろうがマージと頑張っていけよ!」

「あぁ…ありがとう!
これもすべてあんたのおかげだ。
感謝してるよ。」

「ハリー、マージの事をよろしく頼むね!
マージ、ハリーと一緒になったら、二度とおかしな真似をしちゃいけないよ!」

「おかしな真似…?」

「ケネス様とのことがいやならいやとはっきり言えば良かったじゃないか!
そんなことで大切な命を捨てようとするなんて…
あのまま死んでたら、あんた、今頃、こんな幸せにはなれなかったんだよ!」


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