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『どうだった?
うまくいったのか?』

「まだわからないさ。
とりあえず、数日は様子を見て、うまくいかなかったらまた別の手を考える。」

『確かにあのハリケーンの日まではまだありそうだからな。』

「そうか!その日があったんだな!
その日は、マージから目を離さないようにしなくちゃな!」



次の日、ジュリアンはこっそりとハリーの様子を見に行ったが、ハリーはなかなか家から出て来る気配がない。
しびれを切らしたジュリアンは、ハリーの家の扉を叩くが、中からは何の返答もなかった。



「ハリー、いないのか?
ハリー!!」

ジュリアンはなおも扉を叩き続けた。



「……ハリーならいないぜ。」

ジュリアンが振り向くとそこには一人の男が立っていた。




「え?…いないって…」

「ハリーなら、今朝早くにおふくろさんを連れて出ていったぜ。」

「出て行ったってどこへ?!」

「そんなこと知るかよ。
なにやらでかい荷物を持ってたから、旅行にでも行ったんじゃないか?」

「でかい荷物を…!!」



(な、なぜだ!
ハリーがこの町を出て行くのはもっと先のはずなのに…
一体、どうなってるんだ?!)



ジュリアンは、一目散に宿へと駆け戻った。




「エレス!た、た、大変だ!」

『今度は誰がどうしたというのだ?』

「ハリーがこの町を出て行っちまった!」

『ほぉ…今度は以前よりも早くに決断したのだな。』

「そんな悠長なことを言ってる場合か!」

『ハリーの行き先は聞いていないのか?』

「聞いてるもなにも、昨夜は町を出て行くなんてことは一言も言ってなかったんだぞ!」

『しかし、ハリーは母親の病気を治すために温泉の近くに行くという話だったではないか。
その場所でも聞いておけば良かったのではないか?』

「い、今更、そんなこと言うな!
おいっ!これから、俺はどうすりゃ良いんだ?!」

『どうするもなにも、ハリーの行き先がわからないのではどうしようもないではないか。
それとも、各地の温泉をしらみつぶしに探してまわるか?』

「畜生〜〜!馬鹿にしやがって!
おまえに相談した俺が馬鹿だった…!」



エレスへの憤りをぶつけるように、バタン!と乱暴にドアを閉めると、ジュリアンはまた下へ降りて行った。


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