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そういってジャンはジュリアンの身体を抱き締めた。



「…そうだったのか、あそこではそんなことが…」

『おおっ…!』

「どうした?」

「えっ?何がだ?」

「あ…あぁ、何でもないんだ…」



ジャンが去ってから、ジュリアンはエレスに尋ねた。

「さっきはどうしたんだ?」

『それがだな…』

「何があった?」

『……いや…なんでもない…』

「何がなんでもないだ!
なんかあったんだろう!
言えよ!」

『…まぁ、落ち着け。
話すさ…そのうちにな…』

「…………」



こうなるとどんなに詰め寄ってもエレスが語るとは思えない…



(あぁ、いいさ、勝手にしろ…)

小さな溜め息をつきながら、ジュリアンは歩き始めた。




エレスがそのうち話すといったことはどんなことなのか…?

これから、どんなことが起きるのか…?

石の精エレスとジュリアンの旅は、今、始まったばかり…


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