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(赤い雲…おそらくそれは何かの合図だ。
リガスに知らせることになっているということは…
そう…マウリッツからのなんらかの報せだということではないか?
マウリッツが戻って来る時の合図かもしれん。
と、なれば……これは好機だ!
ロージックの者達に赤い雲のことを知らせ、奴らが現れた所で始末させる…
小国とはいえ、マウリッツは、ラルフィンの第二王子だ……
天はやはり私に味方してくれているようだな。)



ネストルは込み上げる笑いを懸命に押し堪えた。



「ジャーメイン、クレタスからの連絡があったら、すぐに私に知らせに参れ。
わかったな?」

「はい、ネストル様。」







数日後、ネストルはロージックの者達に手紙を送った。
赤い雲に細心の注意を払うように…と。
赤い雲の出現と共に現れた者達を、容赦なく殺すことを指示した。
その遺体の処理についてもぬかりなく書き連ねた。
身元がはっきりとわかるように顔は決して潰さぬように、そして、今度こそ、魔導師達がそれを広場に持って行き、人目につくところに転がしておくことを……



(今度こそ、終わりだ…マウリッツ…!)



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