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「…好きかと言えば、好きかな。」
私の言葉に目を見開いた後に、彼はそうかと俯いた。
ヒューイは女性にはかなりの奥手で有名。
そんな可愛い所に私は惹かれたんだけど、彼は気付いていないみたい。
「…じゃあ、俺はこれで。」
立ち上がった彼を見上げたら、歩き始めたので名前を呼んだ。
「ヒューイ。」
「え…っ。なっ、な…、え?」
振り返った彼に背伸びをして頬にキスをしたら、彼は真っ赤になって慌てた。
「私が好きなのは、あなたよ。ヒューイ。」
「えっ?」
頬を押さえながら、私の告白に真っ赤なまま固まる。
「…ホントに?」
「もちろん。」
彼は恐る恐る聞いてきて、私は笑顔で答えた。
すると彼はパァーッと花が咲いたように笑いガッツポーズをしている。
「やった!俺、シュラは絶対ライ様を好きなんだと思ってて、諦めなきゃって。でも出来なくて…。」
彼の言葉を聞いて私は、思わず抱き着いた。
やっぱり最初は驚いていたけど、優しく抱きしめてくれた。
「もう離さないよ。シュラ。」
「…うん。私も離さない。」
そんな私達二人を太陽が温かく照らしてくれていた。
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