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彼は厨房で働いている。
「休憩になったの?ヒューイ。」
「そ、君の姿を見つけて追い掛けて来た。」
彼のそんな一言が嬉しくて、洗濯物を干しながら気持ちを隠した。
全部干し終わり、階段に二人で座り日向ぼっこをしている。
「そういえば、あの娘はどう?」
「あー、ルカ様は相変わらずかな。私に遠慮して何も要求してこないわ。」
「ふーん。ライ様はあの娘を花嫁に出すんだよな。可哀相な運命だよ。突然異世界にやって来て花嫁だなんて…」
ヒューイは空を眺めながら呟いた。
確かにルカは、今までの花嫁とは違って優し過ぎる。
見た目は普通の女の子だけど中身は純粋で引き付けられる。
だからライ様も、大切にしているんだと思う。
「なぁ…、その…。」
急にヒューイが気まずそうに俯いて話かけてきて、私は不思議に思い彼を見つめた。
「シュラは…、ライ様が、す、好き…なのか?」
「えっ?」
何よ、突然。
顔を上げて真剣に聞いて来た彼に驚いた。
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