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私が此処に家政婦として仕えて何年が過ぎたかしら。
最初は偉そうな身分の高い人達の為に掃除したり、身の回りの世話をするのは嫌だった。
だけど、ライ様だけは私に気を使ってくれたり、ありがとうと御礼を言ってくれた。
それは初めての事で、とても嬉しかったのを今でも覚えている。
ライ様が悪魔の長に任命された日、私に身の回りの世話をしてくれと指名してくれて、更に頑張らないといけないと感じた。
ライ様に抱いている感情は愛情では無くて、尊敬や憧れ的な存在。
だって私には愛する彼がいるんだから。
「シュラ!」
洗濯物を干していたら名前を呼ばれ振り返る。
そこに立っていたのは、真っ白な上下の服を来てエプロンをしている彼。
髪は短めの藍色、吊り上がった目に怖い印象があるけど、笑うと笑窪が出来て可愛く見える。
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