ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ
魔法使いの沼地18


「そうか、そいつは良かったな。
あ…それから、昨夜は店をきれいにしてくれてどうもありがとう!
……いや〜、あんまり綺麗になってたからびっくりしたよ。
間違えてよその店に入ったかと思う程だった!」

店主はそう言って、大きな声で笑う。



「いえ…こちらこそお世話になりました。」

「何を言ってる。
世話になったのはこっちの方だ。
そのお礼をさせてもらうぜ。
さ、何が良いんだ?
なんでも好きなものを言ってくれよ。」

店主は、昨日と同じようにリオに料理をふるまった。
また死神が来てはいけないからと、店主は家に泊まる事を執拗にリオにすすめ、リオは仕方なくその好意に甘えることにした。







(本当にどうもありがとうございました。)

夜明け近くになると、リオは店主の家をそっと抜け出した。
感謝の気持ちを認めた短い手紙を残して…



店主は、用事が済んだらまたこの町に戻って来て店で働かないかと声をかけてくれた。
リオは、それに対し曖昧な微笑を返すことしか出来なかった。



(まずは、この呪いをなんとかしないとな…)

リオはそう考えると同時に、それが簡単には解決出来ないであろうこともはっきりと確信していた。
だが、自分の姿が夜だけはありのままに見えるということがわかっただけでも、リオにとっては大きな支えとなった。
これからは夜だけは心安らかに過ごせるのだから…



(まるで、本当の悪魔になったみたいだな…)

明けかかった空を見上げ、リオは自嘲めいた微笑を浮かべた。



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