ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ
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「翔さん、僕、明日から働きます!
なんでもします!」

「どうしたんだ、急に…」

「とにかく働きたいんです!」

「それじゃあ……」



次の日、僕が連れて行かれたのは、材木のたくさん置かれた場所だった。



「ここで手に職を付けながら、自分の家を建てるっていうのはどうかと思ってな。」

「は、はい!僕、頑張ります!」

「ここの親方はけっこう厳しいぞ。」

「はい!どんなに大変でも、頑張ります!」



その日から、僕は見習い大工として働き始めた。
僕の家は、桂葛さんの家から目と鼻の先に建つことになった。
僕のために何人もの大工さんが働いてくれてるのは本当にありがたいことだ。



何ケ月もの間、僕はきつい下働きばかりだった。
重い資材を遠くから運ぶ毎日に、何日も筋肉痛に悩まされた。
一度はぎっくり腰になって寝込んでしまったけど、でも、それ以外は休んでいない。
辛い毎日に思わず投げ出したい気持ちになったこともあったけど、五年頑張れば元の世界に帰れるんだって自分に言い聞かせて、懸命に耐えたんだ。



仕事に身体が慣れて来始めると、今度は桂葛さんにいろんなことを教えてもらった。
今まではほとんどしなかった家事についてだ。
料理なんて小学校の調理実習以来、したこともなかったし、こっちでの洗濯は全部手洗いなんだ。
時間はかかるけど、こっちにはゲームもネットもないからそういうものに費やしてた時間を、こっちでは家事に使ってる感じかな。
テレビさえないことに、最初はすごく寂しい想いをしたけど、なけりゃないで、違う時間の過ごし方が出来るんだって気が付いた。


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