ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ






「母さん!父さんはどこだ?
シャーリーに何をした?」

リチャードは息を切らせ、大きな扉を開け放ったまま、部屋の中を見渡した。



「シャーリーに…?
何のこと?
あの人ならいつもの通り、朝早くに仕事に出かけたわよ。
しばらくは帰らないって言ってたけど……」

「本当に何も聞いて無いの?
母さん…シャーリーがいないんだ!
シャーリーだけじゃない。
彼女のお母さんも弟達も誰もいないんだ!」

「皆が……?
それはおかしいわね……
あ……そういえば……」

リチャードの母親は、そう言って視線を宙に泳がせた。



「何?なにかあったの?」

「え…ええ……
昨夜、シャーリーのことを少し話したら……
そのことならもう片が付いたって……
詳しいことを聞こうとしたら、明日は早いからもう寝るって言って、あの人は寝室に行ってしまって……」

「片が付いたって…一体どういうこと!?
父さんはシャーリーに一体何を……
ねぇ、母さん…父さんの行き先はわからないの?
どこに行くとか聞いて無いの?」

「あの人は行き先なんていつも言わないから…
そうだ、アレクならなにか知ってるんじゃないかしら?」

「そ、そうだね!
店の方に行ってみるよ!」

リチャードはそう言うと、そのまま部屋を飛び出した。



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