ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ


「た…大変です!なにやら町の方から明かりが…もしかしたら追っ手かもしれません!」

血相を変えて走り込んで来たたクラウドが、有り難くない知らせを伝えた。



「ヤバイ!逃げなきゃ!」

「とりあえず、森の反対側へ行ってみましょう!」

クラウドが慌ててヴェリエルの縄を解き、カルフが焼きあがった野菜を袋に詰め込むと、四人はそそくさをその場を立ち去った。







「それにしてもあんたって大嘘つきだね…それも、天使を騙すなんてさ…」

アルルの咎めるような視線がカルフの心を突き刺す。



「し、仕方ないだろ!
あいつの正体がわからなかったんだから。
天使たっていろんな奴がいるだろうし、弱みをみせたらつけこまれそうだし。
……そもそもこんなことになったのは誰のせいだと思ってるんだ!?
誰のせいで僕がこんなへんてこりんな恰好をしてるかわかってるのか!」

「意外と似合ってるよ…」

アルルは横目でカルフを見やり、口許を押さえて肩を震わせた。



(あぁぁ、なんの因果で……)

何を言っても動じないアルルにカルフは怒る気さえ失い、とぼとぼと重い足をひきずる。



「ねぇねぇ…足が痛い。
どこかで休もうよ。」

「だめだよ。
追っ手がかかってるかもしれないんだから、早く逃げなきゃ。
そうでなくても、クラウドさん達からずいぶん遅れてしまってるんだ。」

「あんたがもたもたしてるからだろ!」

「そんなこと言うなら、どれだけ重いかこの野菜の袋を持ってみろよ!
それでなくても、今日はあいつをおびき出すためにどれだけ疲れたことか…」

野菜で膨らんだ袋は、ずっしりとカルフの肩に食い込んでいた。



「あ〜、やだやだ。
愚痴っぽい男って最低…
ねぇねぇ、おぶってくれない?
私、本当に足が痛くて…」

「おあいにくさま!僕の背中は野菜達でもう満員なんだ!」

その返答に、アルルは顔をしかめ、舌を打った。


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