ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ






「ちょ…ちょっと、待って下さいってば!!」

宿の主人は、金がないならブタ箱へ入ってもらうと、すごい剣幕でカルフの胸倉を掴んだ。



「ぼ、僕、なんでもしますから。
一生懸命働きますから、どうか、それで許して下さい…!」

カルフは両手を組み、震える声で懇願する。
カルフを突き飛ばすように手を離した主人の目が、カルフの腰の剣に停まった。



「あんた…一応、剣士なんだな?
それじゃあ、ちょうど良い仕事がある。
そっちへ行ってもらうとするか!」

「え……?ちょうど良い仕事…ですか?」

いやな予感を感じながらも、ブタ箱に放りこまれるよりはマシだと思い、カルフは主人から話を聞いた。
最近、このあたりには魔物が出没しているとのことだった。
魔物はそこを通る者達を襲い、荷物を盗むのだという。
そのせいで、街道を通る者がすっかり減っているらしい。
そいつは、夜だけではなく明るいうちにも出没するため、ずっと見張っているわけにもいかず、宿の主人はほとほと困ってると嘆いた。



「それじゃあ、頼んだぜ。
魔物を捕えたら、宿賃はチャラ。
それだけじゃないぞ。報酬も渡そう。
その代わり、魔物が捕えられなかった時は……わかってるだろうな……」

体格の良い主人の細い瞳が鋭く光り、カルフは小刻みに何度も頷く。



「よし!話は決まった!
じゃあ、そこでちょっと待ってな。
剣士だとばれちゃ、魔物も警戒するかもしれない。
今すぐ旅人っぽい服を用意してくるからな。」



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