ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ シューラルフィール25


「……恩義か…
君は猫なのに、少し人間に俗され過ぎだよ。」

ダーニアスは、ラルフを見下ろしながら失笑した。



「……確かにフィーには恩義は感じてる。
でも、それとこれとは話は別だ。」

シューラルフィールは、その言葉に落胆したように肩を落とした。



「このところは、ずっとリオやラルフと一緒だったから…きっと、一人旅は寂しく感じるだろうね。
僕、そんな寂しさに耐えられるかな…?
……そういえば、フィー……君は、人間みたいに歩いたり馬車に乗って旅をしたことはあるかい?」

「……え?」

不意にかけられた言葉に、シューラルフィールはきょとんとした表情で顔を上げた。



「ダーニアスは、人間みたいに旅をしたことがあるかって聞いてるんだよ。」

「な…ない。
いつも魔法で瞬間移動してたから。」

「……良いもんだよ。
地に足を着けて、ゆっくりと旅するのは……」

「そうなの?」



「あぁぁぁ!本当にわかんない奴だな!
ダーニアスは、おまえさんを旅に誘ってんだよ!」

声を荒げたラルフに、シューラルフィールは驚いたような表情を浮かべるばかりだった。



「……待っていてくれる人がいるって…良いもんだね。」

「え…?」



「……エルマー…なんとか言ってやってくれよ。」

シューラルフィールの鈍感ぶりに呆れ果てた声でエルマーに救いを求めたラルフに対して、エルマーはただおかしそうに笑うだけだった。


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