ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ シューラルフィール22


「しかし、びっくりしたぜ。
魔方陣の中のリオが消えたと思ったら、ものの数秒でまた現れたから、俺はてっきり失敗したと思ったんだ。」

「それはこっちもだよ。
ラルフが驚いてるからどうしたのかと思ったよ。」

「現実の時間と過去の時間の進み具合を少し変えたんだよ。
ま…これはかなり高等な魔法だから、皆が使えるってわけじゃあないんだけど…」

シューラルフィールは自慢げにそう言って、にっこりと微笑んだ。



「そうだったのか…
でも、フィーなら、両方叶えることは出来なかったの?
リオの願いを叶えた上で、リオにかかった魔法を解くことは…」

「それが……この沼でかかった魔法を解くにはものすごく大きな魔力が必要になるのよ。
魔法を解くにしてもいろいろあって、一番簡単なのは自分がかけた魔法、そして次が他の魔法使いがかけた魔法ね。
魔法使いの中には、自分がかけた魔法以外は解けない者もたくさんいるのよ。
それが、この沼では沼にたまった魔力がどれほど消費され、どんな風に作用したかもまるでわからない。
それをつきとめる事から始めなきゃならないわけだし、そんな魔法を解くのは至難の技なの。
ダーニアスをたったの数時間で元の姿に戻せたのも、この私だからなのよ。
そんじょそこらの魔法使いじゃ一生かかったってきっと元に戻せないわ。」

「自慢話はもう良いよ。
で、結局、リオの魔法を解く事は無理なのか?」

シューラルフィールの話にうんざりしたのか、どこかなげやりな口調でラルフが口をはさんだ。



「……技術的に出来ないことではないわ。
でも、それをするためにはもっと大きな魔力が必要なの。
今は、もうそれだけの魔力は残ってないわ。
また、長い時間をかけて集めていかないと……」

「そっか…じゃあ、リオ、しばらく待って、またここに来ると良い。
フィー、リオを元に戻すための魔力がたまるにはどのく……」

「良いんだ…僕…このままで…」

「え…?」

思いがけないリオの小さな呟きに、ダーニアスは驚いて視線を戻し、リオの顔をじっとみつめた。


- 171 -

しおりを挟む
コメントする(0)

[*前] | [次#]

お礼企画トップ 章トップ

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -