ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ シューラルフィール21


「本当に、ダーニアスの前では別人みたいね。
あなたが赤くなる所なんて、初めて見るわ。」

「エルマー!!」

エルマーは、シューラルフィールをからかってくすくすと笑い、シューラルフィールはさらに顔の赤みを増した。
そんなシューラルフィールを見て、ダーニアスの顔からも笑みがこぼれた。



「エルマーさん、フィーをいじめないであげてよ。
彼女は、リオの願いを叶えてくれたんだから。
リオ……それで、そんなに泣いたんだね。
二度も妹さんの最後に立ち会ったのは辛かったね…」

ダーニアスは、リオの膝を軽く叩く。



「そうだね…とても辛かった。
でも、僕はマリアンに聞きたかったことが聞けた。
マリアンの気持ちが聞けたから、今は本当に幸せだよ。
……この世の中では毎日誰かが亡くなってる…
そのうちのどれほどの人が、遺された人にはっきりと想いを伝えられるんだろう?
きっと、そう出来るのはごくわずかだと思うんだ。
遺された者は、たいていが自分を責めてばかりで、なんでも悪い方に取ってしまう。
苦しむ事を死んだ人への餞みたいに考えてしまう。
……いや、何も出来なかったことへの罪滅ぼしかな…
でも、そうじゃないんだね。
そんなことをしても死んだ者は喜ばない。
……マリアンは、ここへ来たことを喜んでいてくれた。
自分が助からない事も受け入れてたし、あんなに不幸続きだったのに、それでも自分の人生を恨んでもいなかった…そのことをマリアンの口から聞けて僕はどれほど救われたかしれない。
……もしかしたら、それはすべて僕を思っての嘘だったのかもしれないとも思えるくらいだよ…
でもね…もしもそうだとしたら、僕はその思いに応えなきゃいけない。
嘘でも元気なふりをして、前を向いて歩いていかなきゃ、マリアンが悲しむからね。
マリアンがいなくなって、僕は生きる意味を見失った気になってたけど、そうじゃなかったんだ。
マリアンのためにこそ、僕は生きなきゃならないんだ。
シューラルフィールさんのおかげで僕はマリアンに会えて、そのことに気付くことが出来た……
本当に…ありがとう…」

そう言って微笑むリオの瞳から、小さな涙がこぼれて落ちた。
シューラルフィールは、神妙な面持ちで黙ったまま小さく頷いた。


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