ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ シューラルフィール20






「僕…シューラルフィールさんには本当に感謝しています。
今までずっと僕の胸の奥に抱えてた重いものがすっかり消えました。
シューラルフィールさんのおかげで……僕は救われました。」

「そうか…良かったな。
じゃ、これからは明るい時間に人を避けたりすることもないんだね。
故郷にも戻れるんだね?」

「それが……」

リオは、照れくさそうに頭をかく。



「ダーニアス、こいつは今までと何も変わっちゃいないんだ。
だから、これからだって明るいうちには人にも会えない。
もちろん、故郷にも帰れない…」

「……それは、どういうことなんだい?
じゃ、なんでこんなに時間がかかったの?」

ラルフの言葉にダーニアスは不思議そうな顔で小首を傾げる。



「実はな……」

ラルフは、少し前の出来事について話し始めた。
シューラルフィールが最初に取りかかったラルフの雨の日の身体の痛みを取り去る魔法はそう時間はかからなかった。
続いて、リオにかかった魔法解除に取りかかろうとした時、リオは、シューラルフィールに思いがけないことを言い出した。
自分の身にかかっている魔法はこのままで良いから、その代わりに別の魔法をかけてほしい…と。
それは、マリアンの最後の日に戻りたいというものだった。
あの日に戻ってもマリアンを助けることは出来ない…それは、リオも十分承知の上だったが、どうか最後にほんの一時で良いからマリアンに楽しい想いをさせてやってほしいということをリオは懇願した。



「本当にびっくりしたわ。
リオさんにただ見せるだけなら簡単なことだけど、そうじゃない。
過去に起こったことを切りとって、それをやり直すわけだからね。
それだけじゃないよ。
リオさんが花畑を作ってほしいっていうから沼に花畑を作り、妹の体調を一時的に回復させて…これが現実のことならそう大変なことじゃないんだよ。
過去のことだから大変なんだ。
リオさんにかかった魔法を解く方がきっと簡単だし、魔力も遣わずに済んだと思う。
これほど、苦労した魔法は久し振りだよ。」

「でも、やってくれたんだね…
ありがとう…フィー…」

ダーニアスの言葉にシューラルフィールは頬を染めてはにかむ。



「ほら見ろ!俺の言った通りだろ?
あんたがリオの願いを叶えてやったらきっとダーニアスはそのことを絶対に喜んでくれる。
あんたの株が上がるぞ!って。」

「わ、私は何もそんな気持ちでやったんじゃないよ!
わ、私はリオさんがあんまり熱心に頼むから…」

ラルフに都合の悪いことを話され、シューラルフィールは汗をかき真っ赤になって弁解した。


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