ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ シューラルフィール19






「ずいぶんと、遅……まぁ、リオさん、どうしたの、その顔?
シューラルフィール、あなた、まさか……!」

リオの泣き腫らした赤い瞳を見てエルマーは驚き、シューラルフィールを咎めるような視線でみつめる。



「違う、違う!
私は、リオさんの言う通りに…」

「エルマーさん、心配かけてすみません。
シューラルフィールさんは、僕の願いを叶えてくれただけなんです。
僕が泣いたのには、ちょっとわけがありまして…」

首を振って必死に弁解するシューラルフィールに、リオが慌てて助け舟を出した。



「あら、そうだったの。
ごめんなさいね。
……でも、リオさんからはちっとも魔力が薄れてないように感じられるんだけど…」

「そのことなら、僕が説明します。」

「ん……リオ?……やっと戻ったのか?」

リオ達が席に着こうとした時、話し声に気付いたダーニアスが、目をこすりながら長椅子から身体を起こした。



「なんだ、眠ってたのか?」

ダーニアスの傍に座ったラルフが声をかける。



「うん、君達があんまり遅いから、ほんの少し…ね。」

「ダーニアス、ほんの少しじゃありませんよ。」

エルマーは微笑みながらそう言って、壁の時計を指差した。



「……え!?いつの間にこんなに…」

「小鳥の時の癖が抜けきらないみたいだな。
それで、今はどんな夢を見てたんだ?」

「……そういえば、急に起きたせいか、夢の記憶をすっかり忘れてしまったよ。
ただ、ね…なんだかとても気持ちの良い夢だったことは間違いないんだ。」

ダーニアスは、そう言うと幸せそうな顔で微笑んだ。



「あ…リオ!!どうしたんだい、その顔は?
まさか、フィーがなにか……」

泣き顔のリオの顔を見て驚くダーニアスに、エルマーは肩を震わせて笑いを堪え、シューラルフィールは苦い顔をして俯いた。


- 168 -

しおりを挟む
コメントする(0)

[*前] | [次#]

お礼企画トップ 章トップ

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -