ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ シューラルフィール18






「兄さん、見て…
とっても、綺麗な月……
青い月なんて珍しいわね。
こんな素敵な夜に旅立てるなんて、私ってツイてるわね…」

マリアンは、空に浮かんだ青い月をみつめて呟いた。



「マリアン…そんなこと言わないでおくれよ…」

「兄さん…さっき約束したじゃない!?
さっきのでおしまい。
二人共あれだけ泣いたから、もう泣かないって…
最期の時には、お互い笑ってお別れしましょうって約束したでしょう…?」

涙声のリオをたしなめるように、マリアンは毅然とした声でそう言った。



「マリアン……おまえは、なんでそうしっかりしてるんだよ…」

リオは俯き、震える声で呟いた。



「だって……私が泣いたら、兄さんはきっともっと泣いちゃうもの。
私……兄さんは笑っててほしいの……
兄さんには……」

「……マリアン…?
どうした!?」

隣に座っていたマリアンの身体がゆっくりと、リオに肩に倒れこむ…



「マリアン……マリアン!
僕が何…?最後までちゃんと話してよ…」

リオは、身体を反転させ、マリアンの正面から両腕を掴む。
しかし、マリアンの瞳はすでに閉じられ…
どこか微笑んだような穏やかな表情をしたまま、全身の力が抜けていた。



「マ…マ、マリアンーーーーー!」









「え……失敗したのか!?」

「そんなわけないさ。
私の魔法は絶対に失敗なんて……」

振り向いたリオの顔は涙でぐしゃぐしゃになっていた。
唇を震わせながら、リオはゆっくりと魔方陣を出て、シューラルフィールとラルフの方へ歩み寄る。



「ありがとう……シューラルフィールさん……」

そう言うなり、リオはシューラルフィールに抱きつき、子供のように声を上げて泣き出した。




- 167 -

しおりを挟む
コメントする(0)

[*前] | [次#]

お礼企画トップ 章トップ

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -