ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ シューラルフィール13


「じゃあ、リオの妹を沼地に入れたままにしてたとしても、生き返ることはなかったのか…」

「そんな簡単に死人を生き返らせれるわけがないだろ。
命に関する魔法は究極の魔法だよ。
私にだって、そんなことは出来やしない。
今までそれをやり遂げた魔法使い自体、誰もいないんだ。
……そういえば、あんたは死んだ妹と一緒に沼に落ちたんだったね。
そうか…その時に、その子の負のエナジーがあんたに着いてしまったのかもしれないね。
それを感じて、他の人間にはあんたのことが恐ろしい者に見えるんだ。」

シューラルフィールはそう言うと、ものすごい勢いで紙切れに何かを書き綴っていった。



「だいたいのことはわかった。
少し時間はかかるかもしれないけど、そこで待っててちょうだい。」

シューラルフィールは、立ち上がると、小瓶や道具をてきぱきとした動きで集め始めた。



「……リオ、聞いただろ?
おまえが妹を沼に浸けたままにしてても、運良くシューラルフィールに出会うことが出来てたとしても、結局、妹を助けることは出来なかったんだ。
……辛いだろうが、誰にも運命を変えることは出来ないってことだ…」

「そうだね…
やっぱり、僕が魔法使いの沼地にマリアンを連れ出したことは間違いだったってことだ…」

リオは肩を落とし、深くうな垂れた。



「また、そんなことを…
マリアンはそんなこと、思っちゃいない。
何もせず、狭い家の中で死を待つよりも、おまえと旅したことを喜んでるさ。」

「僕の友達も君と同じことを言ったよ。
でも…それは君達の慰めにしか過ぎない。
マリアンは、生まれ育った家で静かに死を迎えたかったかもしれないじゃないか。
あの子は優しい子だったから、だから…きっと、僕に気を遣って……」

今まで心の奥底に隠していた想いが噴き出し、リオは唇をきつく噛み締める。
涙がこぼれ落ちないように…



「あぁ、そうだ。
マリアンがどう思ってたかなんて今更聞く事は出来ない。
今となっちゃ、マリアンの気持ちを知ることは出来ないさ。
だがな、おまえがそんな風に考えてることをマリアンは決して喜んじゃいない。
それだけは間違いないと思うぜ。」

リオの瞳から、堪えきれなかった涙がこぼれ落ちた。


- 162 -

しおりを挟む
コメントする(0)

[*前] | [次#]

お礼企画トップ 章トップ

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -