ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ シューラルフィール9


「何を言ってるの?
なぜ、君が謝るんだい?
僕は、僕の意志で沼地に言って、そこでちょっと不思議なことになっただけじゃないか。
それに、これは普通の人にはめったに体験出来ることじゃない。
僕は、君に感謝こそすれ、謝ってもらうようなことは一つもないよ。」

「シューラルフィール…あんた、俺達に言ったじゃないか。
勝手に沼地に入って、勝手に魔力をごっそり使って、文句を言いたいのはこっちの方だってな。
相手がダーニアスだと、こんなに態度が違うのか!?」

「ラルフ…!」

優しいダーニアスの言葉の直後に発せられたラルフの言葉は、それとは裏腹に鋭い棘を含んだものだった。
リオは、シューラルフィールに気を遣い、ラルフに首を振って見せた。



「リオ、おまえも人が良いのはたいがいにしとけよ。
なんでこんな奴をかばうんだ!」

「だって…可哀想じゃない…
シューラルフィールさんはただダーニアスさんのことが好きなだけで…ダーニアスさんに喜んでもらおうと思っただけなんだよ。」

「……リオさん…」

シューラルフィールは涙に濡れた顔を上げ、リオをみつめた。



「フィー、君が謝る相手は僕じゃなくてリオだよ。
リオにかかった魔法を解いてあげて。」

「……で、でも、どういう風にかかったかわからない魔法を解くのはけっこう難しいのよ。」

「僕は、この通り、ちゃんと元に戻れたじゃない。
とびきり優秀な魔法使いの君だもの。
きっとやれるさ。
……そうだろう?」

ダーニアスは細く華奢な指で、シューラルフィールの頬を流れる涙を拭う。
その瞬間、シューラルフィールはまるで魔法にかかったように、ダーニアスをみつめて微笑んだ。



「……わかったわ。
私、リオさんの魔法を解くわ。」

ダーニアスは、シューラルフィールに向かって優雅に微笑み、満足げに頷いた。


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