ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ シューラルフィール5


「リオ…ラルフ…それに、エルマーさん、来てくれたんだね!」

青年は立ち上がり、リオ達に人懐っこい微笑を投げかけた。
それは、まるで天使のような優美さの溢れる笑顔だった。



「あの……どうして、あなたは僕達のことを…」

「リオ、わからないの?
僕だよ、ダーニアスだよ。」

「ダーニアス…?
あんたがシューラルフィールの惚れた吟遊詩人のダーニアスか!?」

その言葉に、ダーニアスはおかしそうに笑った。



「ラルフもわからないんだね。
僕は、ダーニアスだけど、ちょっと前までは違う名前だった。
君がレヴィって付けてくれたんだ。」

「な、なんだって!」

目を丸くするリオやラルフを見て、ダーニアスは優雅に微笑む。



「驚かせてごめんね。
今、シューラルフィールに君達のことを話してたところだったんだよ。」

「ど、どうなってるんだ?
あんたが、あのレヴィだっていうのか?
な、なんで、そんなことに…」

「ちょうど良かった。今から話すよ。
リオ、それに、エルマーさん、とにかく座って下さい。
フィー、皆さんにもワインを。」

シューラルフィールは、エルマーの家に来た時とはまるで別人のように従順な様子で小さく頷き、部屋を離れた。



「ほ…本当にあなたはレヴィなんですか?」

リオは、まだ信じられないといった風に、まじまじとダーニアスの顔をみつめ、その頬をほんのりと赤らめる。



「そうだよ。
まぁ、君が驚くのも無理はないよね…
なんせ、僕はついさっきまでちっちゃな小鳥だったんだものね。」

「噂通りの美男子ね!
シューラルフィールのことをフィーなんて呼べるのは、彼女の両親とあなただけだわ。」

「え…そうなんですか?」

ダーニアスはエルマーに意外な顔を向けた。



「なんだよ、なんだよ。
寝坊すけでよたよたしか歩けなかったあのレヴィが、エリート魔法使いのシューラルフィールにあんな偉そうなことを言うなんて…はぁ〜…今でも俺には信じられん…」

何度も首を振るラルフに向かって、ダーニアスはただ黙って微笑んだ。


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