ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ シューラルフィール3


「あいつ〜〜!
レヴィを一体どうする気だ!」

「エルマーさん、シューラルフィールさんはどこへ行かれたんでしょうか?」

「えっ?そ、そうね……
そう……多分、あの子のことだから、あなた達の前で取り乱したことが恥ずかしくてこの森のどこかに行ったんじゃないかしら?
……ええ、きっとそうだわ。
あの小鳥さんの声を聞いて、落ち付いたらきっと戻って来るわ。
少しだけ、彼女のしたいようにさせてあげましょう…
あ、私、お茶を煎れて来るわね。」

エルマーの推測にはリオやラルフを納得させるだけの説得力があった。
エルマーの煎れたお茶を飲みながら、リオ達はシューラルフィールの帰りを待ったが、暗くなっても彼女が戻って来ることはなかった。







「いくらなんでもこんな時間になっても戻って来ないのはおかしいんじゃないか?」

「……そうよね。
一体、どうしたのかしら?
あの小鳥さんの歌が、彼女の何を呼び覚ましたのか、私にはわからない…」

「こういう時に、どこか、あいつが行きそうな場所に心当たりはないのか?」

「そう言われても……彼女には知り合いはたくさんいても、気を許してる友人はそんなにいないはず。
彼女は私のことを一番頼ってたって思うのよ。
だとしたら…」

エルマーは腕を組んで、何かを考えるように目を閉じた。



「……だめだわ。
どこも思いつかない…」

エルマーは力なく首を振る。



「だったら、あの沼地に戻ってるってことはありませんか?」

「……そうか…!
もしかしたら、レヴィにかかった魔力を取り戻そうとして……
確か、あんた言ってたよな?
レヴィにはとても大きな魔力がかかってるって!」

「それは無理よ。
一度かかってしまった魔力を取り出す事は出来ないわ。
……でも……彼女が行きそうな場所は、確かにあの沼地くらいしか思い当たらないわ。」

「ようし、それなら駄目もとであそこへ行ってみよう!」

ラルフの言葉に、エルマーも頷いた。



「そうね。
とりあえず、あそこに行ってみるしかないわね。
あ、リオさん、猫ちゃんを抱っこしてあげて。
あそこまでは遠いし、あなた達を連れていかなきゃならないから、何度か休んでいきますからね。
私には、シューラルフィール程の魔力はありませんから。
じゃあ、行くわよ!」

エルマーは、リオの腕を掴み、長い呪文を唱えた。


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