ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ エルマー4


「そういうこと。
最初は、誰かに美しい吟遊詩人がいるから見にいこうって誘われて、軽い気持ちで行っただけだったらしいのよ。」

「ところがいざ見てみたら、ダーニアスがあまりに美男子だったから惚れちまったってことだな?」

「いいえ、違うわ。
彼女は、ダーニアスの容姿ではなく、彼の歌に魅了されたのよ。
あの子はね、実はとっても純粋で感性の豊かな子なのよ。
ダーニアスの歌を聴いて、彼女は心が震えたって…そりゃあもうとても感動したみたいだったわ。」

「……そうだったのか。
俺達が聞いた話じゃ、そいつの容姿に惚れたって言われてたぜ。」

「容姿だけだったら、彼女の想いはこんなに長くは続かなかったんじゃないかしら?」

「いや、そうとも限らないぜ。
シューラルフィールは今まで男に冷たくされたことはなかったんだろう?
それが、人間の男に袖にされたんじゃ自分のプライドが許さない。
だから、そんなに執着してるんじゃないか?」

「……もしも、愛情が深くなければ、彼女は自分に恥をかかせたダーニアスを許さなかったはずよ。
今頃、ダーニアスは醜いひきがえるにでも…いえ、彼女だったらそんな単純な魔法は使わないわね。
とにかく、そういうことはせず、こんなに長い間、彼を探しつづけてるのは、やっぱり純粋に愛してるからだと思うわ。
……でもね、実は、彼はもう死んでしまったなんて噂もあるの。
だって、シューラルフィールやその仲間達がこんなに探しても、彼はみつからないんですもの…
私もそうじゃないかって思ってるのよ。
彼女にもそう言ったわ。
だけど、彼女は彼の亡骸を見るまでは絶対に諦めないって…」

「そうだったのか……」

ラルフとエルマーのやりとりを聞きながら、リオは自分の想像していたシューラルフィールのイメージが変わっていくのを感じていた。


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