ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ エルマー2


「まぁ…なんてことでしょう…」

リオから話を聞いたエルマーは、リオに同情的な視線を向け、大きな溜め息を吐いた。



「本当にお気の毒なこと…」

「ま、俺とレヴィはそうとも限らないけどな。」

「そうね…あなたはそうかもしれないけど…この小鳥ちゃんには、かなり大きな魔力がかかってるわよ。」

「そうなのか?
こいつは、人間の心に響く歌を歌うのが得意なんだが、その他はこれといって何もないぞ。
人間の言葉はなんとなくわかってるような気がするんだが、言葉は喋れないようだ。
その上、怪我をしてるわけでもないのに、こいつは飛べないんだ。」

エルマーは、椅子の背に停まるレヴィの傍に顔を寄せ、角度を変えてじっくりと眺め回す。



「見た目はどこからどう見ても普通の小鳥ちゃんね。
でも、この子にはとても大きな魔力が宿ってる…
宿ってるっていうのは、この子が本来持ってるってわけじゃないわよ。
あなた方と同じように、外から加えられた魔力なの。」

「こいつも、沼に落ちたのは間違いないんだけど、詳しいことはわからないんだ。
なんせ、こいつとは言葉のコミュニケーションが取れないからな。」

レヴィは、自分について語られてることをあまり理解していないのか、それとも、懸命に聞き入っているのかは傍目にはわからなかったが、目を瞑り、椅子の上でじっとしていた。



「とにかく、こいつは手がかからないっていうのか…
食べるものさえ与えてりゃ、後はたいていこんな風に眠ってるんだ。
そして、ここぞという時には俺達が何も言わなくてもその場に合った歌を歌い出すんだ。」

「ふぅ〜ん…
不思議な小鳥ちゃんなのね…」

エルマーは、優しい視線をレヴィに向けた。



「それで、エルマーさん。
ここに、シューラルフィールさんは…」

「ええ、よく来るわよ。」

「本当ですか!?」

エルマーの話によると、シューラルフィールは今も暇さえあればダーニアスを探しに出歩いているのだという。
エルマーがそんな多忙な彼女に代わり、他の魔法使いからの伝言などを預かっているため、長くとも数ヶ月に一度はここへやって来るということだった。



「もう、そろそろ来る頃だと思うわ。
それまで、ここで待ってなさい。」

リオ達は、エルマーの好意により、シューラルフィールが来るまで彼女の家に滞在する事になった。


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