ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ エルマー1






「そ、それは、本当なんですか!」

リオ達は、相変わらずのんびりと旅を続けていた。
アンドリューの小屋を離れてから、特別大きな出来事もないままに辿り着いた四つ目の町で、ついにリオは、エルマーの情報を耳にした。



「嘘なんか言ったってしょうがないだろ。
エルマーって魔法使いなら、この先の森に住んでるぜ。
それがあんたの探してるエルマーかどうかまではわからないけどな。」

男は面倒くさそうにそう言うと、ゆっくりとその場を立ち去った。



「ついにみつけたな…!」

「やっぱり、そうだよね?
僕らの探してるエルマーだよね?」

「そいつは行ってみなきゃわからないが、俺達はサーシャの言う通り、こんな東までやってきたんだ。
もういいかげん、辿り着いてもおかしくはないだろうな。」

冷静なことを言うラルフもどこか嬉しそうだった。







「ここだね…
あぁ、僕、緊張して来たよ。
なんて言えば良いんだろう…」

「それほど、考えるようなことでもないだろ。
さ、早くノックしろよ。」

「う…うん。」

森の中に佇む小さな家の前で、リオは大きく一度息を吸いこみ、いつもより少し力を込めて、その扉をノックした。



「……どなた?」

扉の影から顔をのぞかせたのは、穏やかな表情をした小柄な中年の女性だった。



「あ、あの…初めまして。
ぼ…僕……リ」

「まぁ……」

リオが自己紹介を済ませる前に、女性は驚いたような声を上げた。



「どうかしましたか?」

リオは、女性の声の意味を尋ねた。



「あなた……一体、どうなさったの?」

「……どうって?」

「あなたからはとても強い魔力を感じます。
……呪いでもかけられてるのかしら?」

「僕、実はそのことで来たんです。
あなたは、シューラルフィールさんと仲の良い、魔法使いのエルマーさんですか?」

先程のしどろもどろな口調とは打って変わり、リオは早口でそう話した。



「ええ…そうよ。
詳しいことは、中で話しましょう。
とにかく、中へお入りなさいな。」

「あ、ありがとうございます。」

促されるままに、リオはエルマーの家の中へ足を踏み入れた。


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