ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ ジョン19


「確かにおまえは本当のことを話してるようだな。
では、次の質問だ。」

「お…俺が嘘を吐いてるか本当のことを言ってるか、おまえにはわかるのか!?」

「当たり前だ!
俺を誰だと思ってるんだ!
ウォルフボーラスだぞ!」

大きな声を上げたリオに、アンドリューは身をすくめ目を閉じた。



「す、すまない…
お、俺が悪かった…」

恐ろしくてリオと目を合わす事も出来ないのか、アンドリューは俯いたままで謝った。



「……わかれば良い。
じゃあ、次の質問だ。
おまえは、エイミーに酷いことを言ったな。
おまえがいると邪魔だとかなんとか言ってエイミーを養子に出したな。
あれは、おまえの本心か?」

「そ…そんなことまで知ってるのか…」

アンドリューは驚きのあまり思わず顔を上げ、リオと視線が合うとまた慌てて俯いた。



「どうなんだ!」

リオが凄みを効かせた声を上げると、アンドリューは、一瞬、身体をびくつかせ、小さな声で話し始めた。



「……おふくろが割った壷の代金はとんでもない額だった。
弁償するのに何年かかるのかさえわからない、途方もない金額だ。
あの時は本当に目の前が真っ暗になったよ…
ちょうどその頃、俺の雇い主の知り合いが子供を欲しがってるって話を聞いた。
なんでも、最近、娘を病気で亡くしたってことだった。
その時、俺は思ったんだ。
これは運命なのかもしれないって…
そういう状況ならきっとエイミーを可愛がってくれると思った。
その知り合いは金持ちだとも聞いたから…だから、エイミーをもらってもらうことにした。
俺と一緒にいたって、エイミーが苦労することはわかってるんだから。
早速、話をつけてもらい、エイミーとその夫婦を会わせた。
夫婦はエイミーが死んだ娘とよく似てると、一目で気に入ってくれた。
やっぱり運命だったんだって思ったよ。
でも、エイミーはいやだと言ったんだ。
俺と一緒にいたい。
知らない人の所になんて行きたくないって言ったんだ!
……だから…俺は……」

当時のことを思い出し感情が高まったのか、アンドリューは頭を抱えうな垂れた。



「なるほど…
だから、エイミーにはそんな酷いことを言って、養子に出したのか。
本当はやりたくなかったんだな…」

「当たり前だ!
おふくろも亡くなって、俺にはもうエイミーしかいなかったんだ!
俺にとってたった一人の大切な肉親だ!
誰が、養子になんて出したかったもんか!
でも……あの時はそうするしかなかった…
そうじゃなきゃ、エイミーはまたあんな苦しい暮らしを…」


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