ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ ジョン16






「おまえのご主人様はえらく遅いな。」

不意に、アンドリューがラルフに声をかけた。



「……まさか、本当に町まで送って行ったんじゃないだろうな?
町まで何時間かかると思ってるんだ。
いくらなんでもそんなお人良しはいないよな。
…いや、それとも話してるうちにスージーのことを気に入って…
……それはないか。
あんなチビのおかちめんこ、気に入る奴なんていないよな。
うん、そんな奇特な奴、いるわけないさ。」

アンドリューは独り言を呟くと、何かを考えるように一点をじっとみつめる。


「……ま、なんでもいいや。
あいつのことなんて、俺にはどうでも良いことだ。
関係ない、関係ない!
……おい、黒猫!
俺はもう寝るからな。」

アンドリューはどこかふて腐れた口調でそう言うと、ランプの火を消しベッドに横になった。



(気になってるくせに……
ずいぶんと、ひねくれた奴だな。)

ラルフは、アンドリューに気付かれないよう背を向けて、いつもの笑顔を浮かべた。



(それにしてもリオは本当に遅いな。
この分じゃ、帰りは明け方になっちまうかもしれないな…
だったら、ここへは戻って来れない。
暗くなるまでどこか身を潜めるしかないか。)

そんなことを考えながら、ラルフはリオのバッグの上ですでに眠っているレヴィに目をやった。



(……仕方ないな。
そう眠くもないが、俺も眠るとするか。
朝になったら、リオを探しに行ってみよう…)

ラルフは、大きく伸びをすると、レヴィの眠るバッグの傍で丸くなった。


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