ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ ジョン15


「……辛いことを思い出させてごめんなさい。」

スージーは、リオの方にすまなさそうな瞳を向けた。



「いいえ。彼女のことを思い出すのは辛い事ではありませんよ。
気にしないで下さい。」

「ありがとうございます。
本当にあなたは良い人だわ。
良かった!
ジョンにあなたみたいなお友達が出来て、本当に良かった…!」

そう言って何度も頷くスージーの笑顔に、リオは、胸が温かくなるのを感じていた。



(……アンドリューさんのことを愛してるんだな。
彼は、スージーさんの気持ちに気付いてるんだろうか?)



「そういえば、リオさんはどうしてジョンと知り合ったんですか?」

「え…あぁ、それは…その……ちょっとおかしな話なんですよ…」

「おかしな…話?」

スージーは小首を傾げ、リオの顔をのぞきこんだ。



「ま、詳しいことは彼から聞いて下さい。
……彼は、きっと近いうちに何かが変わると思いますよ。」

「何かが変わる??
リオさん、それはどういうことなんです?」

話を聞こうとするスージーを、リオはどうにか落ちつかせ、とうとう理由を話すことはしなかった。



「あ、町はあそこですね。
じゃあ、僕、帰りますね。」

「え、今からじゃあ明け方近くになってしまいますよ。
せめてお茶でも飲んで、一休みしてから帰られませんか?」

「いえ、僕は大丈夫ですから!」

リオは、スージーにランプを手渡すと、暗い夜道を駆け出した。



「あ、リオさん!せめてランプはもって行って……あ……
……リオさん、どうもありがとうございました〜!!」

どんどん小さくなって闇に溶けて行くリオの姿に、スージーは追いかけるのを諦め、手を振りながら大きな声で叫んだ。







(彼女はこんな遠くからわざわざアンドリューさんの所に行ってたんだな。
……それにしても、今からじゃ戻れないな…
仕方ない。
どこかで時間を潰すか……いや、この際、いっそ……)

リオは、頭に浮かんだある企てについて考えながら、アンドリューの家を目指した。


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