ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ サーシャ5


「じゃあさ…シューラルフィールみたいにはっきりしたものじゃなく…それとなく、好きだって気持ちを伝えてるのにちっともそれに応えてくれないのは…やっぱり、それも脈はないかな?」

サーシャは、言葉を選ぶようにぽつりぽつりと呟いた。



「それとなく……?
………あぁ……そういうことか…」

「そ、そ、そういうことって、な、な、何なんだよ!」

顔を赤く染めたサーシャが慌てた様子で、膝の上のラルフに視線を落とす。



「俺が思うに…
その相手は、きっと自分の身の上に引け目を感じてるから、その告白に気付かないふりをしてるだけなんじゃないかな?
でも、本当は、そいつも同じ気持ちなんじゃないかと思うぜ。」

「ほ、ほ、本当かい!?」

サーシャの顔は、ますます赤くなり、額からは汗が滲み出ていた。



「つまらないことを気にする奴がいるんだよなぁ。
たとえば、自分には半分人間の血が混じってるとか…そういうくだらないことを気にして、自分の気持ちを押し殺して生きてる奴とか……」

「にゃ…にゃんこちゃん…」

サーシャは俯きながら、噴き出した汗を指で拭った。
ラルフは、そんなサーシャにも構わずに言葉を続ける。



「そういう奴には、押しの一手だ。
荷物を持って家に押しかけて、そのままいついてしまえば良いんだ。
きっと、そういう奴は、なんだかんだ言って追い返そうとするだろうが、そんなことは気にすることはない。
明るく笑い飛ばしてやりゃあ良いんだよ。」

「そ、そんなことして、嫌われない?」

「なんだ、なんだ。
おまえさんらしくないこと言うじゃないか。
誰かさんは、明るくて自由奔放なあんたのことが好きなんだぜ。
そんな殊勝な顔されたんじゃ、きっと調子が狂うと思う。
何も考えてないふりして、押しかければ良いのさ。」

そう言って、ラルフはいつもの笑顔を見せた。
サーシャは、初めて見たその表情に思わず噴き出す。



「ハハハハ…
言われてみればその通りかもしれないね。
あたしはきっとあたしのままで良いんだ。
嫌われたらどうしようとか、そんな余計なことを考えるから、きっと今までうまくいかなかったんだね。」

サーシャは明るい顔で笑いながら、ラルフの頭をそっと撫でた。


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