ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ サーシャ3


「シューラルフィールの惚れた男は、ダーニアスっていう人間の男だ。
年は…はっきりは知らないけど、まだ若い男らしいよ。
吟遊詩人をしてる男なんだけど、流れるような金色の髪に湖みたいな青い瞳をした、まるで神話に出て来る神様のような色男なんだそうだよ。」

「吟遊詩人か…
なるほど、それでか…」

「ラルフ、どういうこと?」

悦に入ったように一人頷くラルフに、リオは率直な疑問をぶつけた。



「いいか、リオ。
吟遊詩人っていうのはな…いや、詩人に限らず芸術家って奴らは普通の人間とはちょいとばかり考え方が違うんだ。
普通の人間なら、魔法使いが自分に惚れてるとわかればいろんなことをねだるだろう…
楽をして暮らせると喜ぶはずだ。
だが、芸術家は違う。
金なんぞには興味がないんだ。
おそらく、その詩人も……」

「そう!その通りなんだ!
さすがはよくわかってるね!
可愛いだけじゃなくて、あんたは頭も良いんだね〜!
やっぱりあんたは最高だよ!」

サーシャはそう言うと、ラルフを抱き上げ情熱的に頬ずりを始める。



「あぁ、あぁ、わかったから話を続けてくれ!」

ラルフは両手を伸ばしてサーシャの顔を押し戻し、そっと膝の上に降りた。



「もうっ!つれないんだから!
……にゃんこちゃんの言う通りなんだ。
最初は、シューラルフィールもダーニアスの見てくれにちょっと関心を寄せた程度だったらしいんだよ。
シューラルフィールって女はけっこういい女らしくって、たいそうモテるんだってさ。
そんなことが煩わしいからって、普段はいろんな姿に変身してる事が多いらしいんだけど、シューラルフィールの素の姿にもダーニアスはまるでなびかなかったらしい。
そんなことから彼女のプライドに火が付いたのかもしれないね。
彼女はなんとかダーニアスの気をひこうといろんな手を使って言い寄ったらしいんだけど、どれもうまくいかなかった。
でも、そんなことで諦める女じゃないよ。
彼女は考えたんだ。
ダーニアスに他のどの魔法使いでも出来ないような贈り物をすることを…
考えもつかないようなすごいものをね…」

そう言うと、サーシャは意味ありげな笑みを浮かべて、リオの方に視線を向けた。


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