ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ
フレッド8


「で、でも、フレッドさんは普通の人間とどこも変わった所はありませんよ!?
そもそも僕には魔法使いと人間がどう違うのかもわかりません。」

「そうかもしれないな。
きっと、普通の人間には魔法使いと人間の区別はつかないだろう。
だが、ぱっと見にはわからないだろうが、一番大きく違うのは寿命なんだ。
だから、人間と魔法使いが結ばれることはめったにないってことなんだ。
だって、よほどのことがなけりゃ人間の方が先に死ぬ事はわかってるんだぜ。
そうでなくとも、魔法使いは自分のことを人間よりずっと優れていると思ってるんだ。
人間なんかに本気で惚れる奴は変わりもんだけなんだ。
……あ……」

フレッドの視線が宙をさ迷い、その言葉が不意に途絶えた。



「どうかしたのか?」

「そうだ…思い出した。
これはただの噂だが、シューラルフィールには惚れた男がいて…」

「その話なら俺も聞いたぜ。
確か、名前はダーニアス…」

「俺は男の名前は知らないが、その相手っていうのが人間だっていうんだ。
人間の吟遊詩人だってな。
俺にはそんな話、とてもじゃないが信じられない。
考えてもみろよ、さっきも言った通り、シューラルフィールはエリート中のエリート魔法使いだぜ。
そんな奴が人間の男になんぞ惚れるわけがない。」

「そうとは限らないぞ。
逆の心理だってあるからな。
優秀な女が、自分とは釣り合わない程つまらない男に入れあげてしまうってことは世間ではよくあることだ。」

ラルフの話を聞いていたフレッドは、突然肩を震わせ、笑いを噛み殺す。



「なんだよ…何がそんなにおかしいんだ?」

「いや……猫が男と女の話をしてるのかと思うと、無性におかしくてな…」

そう言い終えると同時に、フレッドは声をあげて笑い出した。
その光景に、一瞬、戸惑っていたリオもいつの間にか釣られて笑い出す。
そんな中、ラルフだけが不機嫌な顔をして二人のことを疎ましげにみつめていた。


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