第11章…帰趨3


セドリックの細かな気遣いにより、パメラの身体は少しずつ健康を取り戻し、その数ヶ月後、パメラは元気な男の子を出産した。



「おぉ、パメラさん!
この子は髪の色をのぞけばブルーにそっくりだ!
なんと愛らしい…まるで天使だな!」

「それは違いますわ。セドリックさん。
この子の父親はノワールなんですからノワールに似てるんですよ。」

そう言って、パメラは幸せそうに微笑んだ。


金色の髪をしたその赤ん坊は、ブルーとノワールにそっくりな可愛らしい赤ん坊だった。



「二人は双子なのですから、どちらに似ているのも当然のことですよね。
……おや、この子は何かを…」

セドリックが赤ん坊の手の中に何かをみつけた。
右手の中から出てきたのは小さな黒い石だった。



「なんだろう、この石は…?
おや、こちらにも…」

左手を開くと、今度は青い石が出てきた。



「一体、いつの間にこんな石を…」

「不思議ですね…」

二人は、二つの石をじっとみつめた。







その後も、ノワールとブルーの消息はようとして知れなかった。

あの日から、まるで神隠しにあったかのようにこの世から二人の姿はかき消されてしまったのだ。



ブルーとノワールの身体はやっと一つに戻ることが出来た。
以前とは少しだけ違う形で……



だが、そのことを知るのは、創造主ただ一人だけだった…



〜Fin


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