第10章…side ブルー7


次の朝、私はノワールの元を訪ねた。

パメラは水をくみに山にでかけてるということで、小屋にはノワール一人だった。



「ノワール…気持ちは固まったか?」

「あぁ…」

「それで、どうするつもりだ?!」

「……天界へ戻る」

彼の言葉に私は身体が震える想いだった。
昨夜から悩み張り詰めていた心が、急にほぐれ、全身の力さえ抜け落ちてしまいそうになった。



「そうか!そう決めたのか!
ノワール、おまえは正しい決断をした!
それが彼女のためだ…!
おまえの気持ちが彼女を救うのだ…!」

「……ブルー…もし金を持っていたら…金でなくてもなにか金に代わるものがあれば、パメラに残してやってもらえないだろうか?」

「そんなことならお安い御用だ。
持ってるものは全部彼女に残しておこう。」

私は、ポケットからあり金をすべて出し、懐中時計やネックレスと共にテーブルの上に置いた。



「ありがとう、ブルー…」

「おまえは何も残さなくても良いのか?」

「……残念ながら、私には彼女に残してやれるものは何もない…」

「そうか…
……では、いくぞ…良いな?」

ノワールはゆっくりと頷いた。



私達は向かいあい、お互いの手と手を合わせた…



(これで、やっと、元の私に…そして、天界へ戻れる!)


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